『猫の恩返し』から学ぶ、恩返しの大切さ
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昔話
日本には恩返しの昔話がたくさんありますね。最も有名なのは鶴の恩返しでしょうか。
子どもたちは恩返しの昔話を読んで、誰かに親切にしてもらったら恩を返すことを覚えます。
恩返しのお話には「猫の恩返し」もあります。
猫は気まぐれで、あまり人に恩返しをするイメージがありませんが、とても心あたたまるお話です。
こちらが猫の恩返しのあらすじです。
和尚さんに恩を返す猫
むかしむかしあるところに、世間から忘れられたような古くて貧しい山寺に年老いた和尚さんと猫が細々と暮らしていました。
ある日、とうとう寺には食べる物がなくなり、和尚さんは最後の食べ物を猫に与えた後、居眠りをしていました。
するとどこからか、「和尚さん、和尚さん」と呼ぶ声が聞こえてきました。
和尚さんが振り返ってみると、なんと猫が話しかけているのでした。
猫は、近いうちに長者の大事な一人娘が死んでしまう、と言いました。
こてまで和尚さんにお世話になったネコはその恩返しに、山寺をもう一度繁盛させる方法を和尚さんに教えました。
こうして猫は話し終えると、姿を消してしまいました。
それからしばらくして、猫の言う通り長者の娘が死んでしまいました。
長者はあらゆる寺から偉いお坊さんを招いて、立派な葬式をしましたが、山寺の和尚さんだけは忘れられていて招かれませんでした。
その葬式の列が墓の近くまで来たとき、突然娘の棺が浮かび上がり、天高く昇って降りて来なくなってしまいました。
お坊さんたちは慌ててお経を唱え棺を降ろそうとしましたが、棺は天に昇ったまま全く動きませんでした。
困り果てた長者は山寺の和尚さんを呼び出しましたが、お坊さんたちは山寺の和尚さんに棺がおろせるわけがないと笑っていました。
ところが和尚さんが猫に教わった通りの呪文を唱えると、棺は天からゆっくりと降りてきたのです。
こうして無事葬式を済ませることが出来た長者は、和尚さんに感謝して山寺を新しく作りかえてくれました。
そして食べ物を毎日届けさせ、身の回りの世話をする寺男まで手配してくれました。
こうして和尚さんと再び山寺に戻って来た猫は、それからは縁側でのんびり過ごしながら幸せに暮らしました。
猫の恩返しが教えてくれること
まず、このお話は人間と動物との共存や、お互いを助け合うことの大切さを教えてくれるという意味があります。
猫が恩返しをすることで、人間に対して感謝の気持ちを示し、また、自分が助けられたことを忘れずにいることが大切であると示唆しています。また、猫のように小さな存在でも、人間にとっては大切な存在であることを示すことで、自然界における全ての生き物の大切さを訴えかけるという意味合いもあるかもしれません。
また、「猫の恩返し」は、日本人にとって猫が身近で大切な存在であることを表しています。
日本では古くから、猫は「招き猫」として商売繁盛や家内安全の神様として崇められてきました。
また、猫が蔵書にいると良書が集まるという俗信もあり、書物を愛する人々には愛される存在でもあります。
このように、猫は日本人にとって親しい存在であり、このお話を通じて猫に対する愛着が更に深まることでしょう。
そして、日本文化における「恩返し」の重要性も表しています。
日本では、お世話になった人に対して恩を返すことが大切な文化であり、このお話もその一例と言えますね。
このお話を通じて、子供たちは感謝の気持ちや恩返しの大切さを学び、他人に優しく接することの大切さを教えられます。
そして、日本の伝統文化や価値観を身近に感じることができるでしょう。
最後に、このお話が現代にも愛される理由について考えてみたいと思います。
現代社会においても、人と人、人と動物との共存やお互いを助け合うことは、大切なことです。特に、自然環境の保全や動物福祉という社会的課題が高まっている現代社会において、このお話が再び注目を集めているのかもしれません。また、ストーリー自体がシンプルであるため、年齢や国籍を問わず誰にでも共感できるものとなっています。
今後も、日本の昔話や伝説、文化に興味を持ち、多くの人々がそれを愛し続けることを願っています。
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