電子でも紙でも出版が可能に!アマゾンを使ってビジネスを加速
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アマゾン出版マーケティング
2021年10月にAmazonは、日本におけるプリント・オン・デマンドによる紙書籍での出版サービスを開始すると発表しました。
Kindle Direct Publishing(KDP)のアカウントを持つことによって、誰でも電子書籍が簡単に出版できる仕組みはありましたが、紙の本は出せませんでした。その後プリント・オン・デマンドのサービスが開始され、ペーパーバックであれば、一冊から注文できて、注文後にAmazonが印刷製本して発送してくれるようになりました。
しかし、しばらくの間は、取り継ぎ会社が間に入り、データのやり取りが煩雑なうえに、手数料も二重で取られるという時代が続きました。そしてようやく昨年、このプリント・オン・デマンドのサービスが、取り継ぎ会社無しで使えるようになったのです。
個人でも紙書籍をカンタンに出せる時代に
これによって、個人の著者も電子書籍に加えて紙書籍での出版が選択可能になり、電子書籍は読まないという読者にも作品を届けることが可能になりました。また、読者はより多くの選択肢から作品を選べるようになります。
KDPでは、マンガを含むすべてのジャンルの電子書籍と紙書籍を、初期費用なしで出版ができます。KDPの紙書籍出版では注文に応じて印刷を行うため、著者が在庫を抱える必要がないんですね。さらに、販売価格を自分で設定できて、紙書籍では60%、電子書籍では最大70%のロイヤリティ(印税)を受け取ることができます。KDPで出版された紙書籍は、日本以外にイギリス、オーストラリア、カナダ、アメリカ、ヨーロッパのAmazonで購入できます。
まだまだ紙が人気である日本の出版市場において、このサービスはかなり画期的です。
ブログ、画像、動画など、様々なコンテンツを個人が発信できるようになる中で、いよいよ製本も個人が出版できる時代が来ました。Amazonにアップされる個人出版作品は、まだまだ玉石混交な状態ですが、どこで爆発するかわかりませんね。個人出版からベストセラーが出てもおかしくないかも。
それだけではなく、これまで費用がかかって出来なかった、ブックマーケティングが可能になります。講演やセミナーで著書を配布するにしても、印刷製本は小ロットだと高単価になります。そんな時に、PODで購入すれば小ロットでも印刷製本費用を抑えて著書を配ることもできます。
既刊本、絶版本を電子とPODで売る時代
さらに言えば、既に本を出版している人にとっても朗報です。
欲しい本があるけど絶版になっている、品切れ重版未定で本屋さんに行っても注文ができない、皆さんもそんな経験があるのではないかと思います。本は絶版になってしまうと、書店での購入が困難になります。それこそAmazonで中古本を探すか、図書館の蔵書から見つけ出すしかなくなりますね。著者にとっても読者にとっても、本が絶版になってまうのはとても残念なこと。私たちにも、絶版によって作品が入手困難になってしまった著者の方々から、たくさんお話がありました。
いまや、一日に約300冊の新刊が発売されるという日本の出版市場。多くの作品は、重版されることなく絶版へと向かっていきます。さらに止まることのない出版社の倒産。出版社が倒産した場合、版権を一部引き継いで、別の出版社が販売を続けていくという作品もあります。しかし殆どの作品は絶版となって、市場から完全に姿を消してしまいます。
そういった作品の中には、ベストセラーになって大量に売れることはなくても、一部の読者に求められロングセラーを続けるものもあります。そういった作品が絶版になり、読者の目に触れなくなってしまうのは、とても勿体無いことです。そういった作品こそ、電子書籍やPOD作品として残していきたいですよね。
先月、講談社がAmazonと直接取引をスタートしたというニュースが話題になりました。これまでは仇敵だったAmazonと、一転して直接取引を始めたということで、出版業界の大きな変化の兆しを感じましたね。
出版業界の委託販売精度は、まだしばらくは続くと思いますが、それでも誰も開けることの出来なかった壁に、大きな裂け目が出来たことは間違いありません。
今後出版市場がカオス状態となり、新しい読書環境やスタイルが生まれていくことを期待しましょう。
いよいよ電子書籍+PODの流れが来ています!
著書の電子化+POD販売はこちらからお問い合わせ下さいね。
https://omoikanebooks.wixsite.com/electronicpod
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