現代文化のルーツを探る㊶ すごろく
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現代文化のルーツ
現代文化のルーツを探る㊶ すごろく皆さん「すごろく」をやったことはありますか?
若い世代だと「すごろくって何?」って思う人もいるかもしれませんね。すごろくは、サイコロを振って出た目に従って升目にある駒を進めて上がりに近づける盤上遊戯です。そう、現代で言うボードゲームのはしりですね。有名なところでは「人生ゲーム」でしょうか。
今やボードゲームもアプリになって、オンラインで対戦するものもあり、あまり人が集まってみんなでボードゲームを囲むなんてことも少ないかもしれませんね。
すごろくと言えば、昔はお正月の風物詩でした。なぜお正月にすごろくをするのでしょう?
そんなことも含めて、すごろくのルーツを探ってみたいと思います。
すごろくは世界中で愛されるゲーム
「すごろく」は、漢字で「双六」と書きます。すごろくはさいころを2つ振り、出た目で駒を進めてゴールを競うゲームです。2つのさいころが六を出すのが一番大きな数です。そのため「双方が六になる」という意味で「双六」という字が当てられたと言われています。
また別の説として、中国のすごろくの「雙陸(そうりく)」が語源となり、日本に伝わってきた際に「すぐろく」と読んでいたのが後に「すごろく」になったという説があります。
盤双六の起源は定かではありませんが、古代エジプトやローマ帝国といわれており、それが中国へ伝わり、中国から日本に伝わったと考えられています。すごろくは、世界中で昔から存在していて、「盤双六(ばんすごろく)」と 「絵双六(えすごろく)」があります。「盤双六」は、バックギャモンともいわれており、二人で遊ぶもので白黒の石を駒として、敵陣に早く攻め入ることを競います。海外の映画などで目にしたことがあるかもしれませんね。
賭けにも使われたすごろく
日本に伝わったのは7世紀頃といわれていますが、日本最古の盤双六の記録は、1474年の「山科言国(やましなときくに)」の日記に書かれたものです。盤双六は次第に賭け事に使われるようになり、禁止令も出されたという記録が残っています。いつの時代もゲームは賭け事に使われてしまうものなんですね。その後、江戸時代(1603年~1868年)になると盤双六は廃れていったといわれています。
絵双六は、さいころを振って、出た目の数だけ絵を描いた紙の上でコマを進め、ゴールを目指します。絵双六は日本独自のもので、盤双六の影響を受けて作られたと考えられており、現在の私達が思い浮かべるすごろくは絵双六のことを指しています。江戸時代に流行し、江戸時代中期には、旅の道順通りに進めていく「道中双六(どうちゅうすごろく)」が作られ、庶民の間に広まっていったそうです。
明治時代(1868年~1912年)以降になると、文明開化や富国強兵をテーマにしたすごろくが作られ、児童雑誌の付録などにもなっていました。戦後は、子どもたちの遊びが多様化し、核家族化が進み、ライフスタイルが変化したことですごろくは衰退したといわれています。その後、「人生ゲーム」のようなルーレットを回して進めるボードゲームや、 携帯ゲーム機やテレビゲームで流行した「桃太郎電鉄」など、絵双六が現代版に進化したものが登場しました。
お正月はすごろくで運試し
さて、日本ではお正月にすごろくをするのが、習慣となっていた時代があります。なぜお正月にすごろくをするのか?それは、「その年の運試し」のためといわれています。江戸時代に流行した絵双六には、極楽浄土への道筋を表したものや、出世していく様子を表したものがありました。人生ゲームも億万長者になれるかどうかというゴール設定がされていましたね。
誰が一番初めに極楽浄土へ辿り着けるのか、誰が一番出世していくのかを競い、勝敗をつけることでその年の運試しをしていたというのですね。また、すごろくはサイコロを振って出た目だけ駒を進めるというように、ルールがとてもシンプルなので、小さな子どもからお年寄りまで楽しめます。そこで、お正月に集まった親戚で盛り上がる正月遊びの定番となったんですね。
すごろくは、誰が最初にゴールするかということと合わせて、マス目に書かれた指示に従うのもゲームが盛り上がる理由のひとつですよね。ゴール間近で「ふりだしに戻る」と書かれているマスがあったり、さいころを振って出す目が1や2ばかりなのに、マス目に「5マス進む」と書かれてあったり、誰が勝つのか最後までわからないところが楽しみの1つです。
アプリのゲームもいいですが、たまにはみんなですごろくを囲んでワイワイと盛り上がってみませんか?
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