教育の場をオンラインに見出す
青森県おいらせ町をご存知ですか?
人口は25,259 人。平成18年3月に百石町と下田町の二町が合併し誕生した町です。
上北郡の東南部、八戸市、三沢市、十和田市のほぼ中央部に位置し、東部を太平洋に面していて、東西を十和田湖を源流とする町名の由来となった奥入瀬川が流れ、奥入瀬川流域の豊かな自然に加え、地理的環境と交通の利便性に大変恵まれた地域です。昨今は隣接する八戸市、三沢市のベッドタウン化が進んでいます。冬は、気温こそ低いものの降水量は少なく青森県内で最も雪が少ない地域。自然、農地、商業地、工業地、住宅地がバランス良く配置されています。子供の医療費無料、学校給食費の無料化、保育所の待機児童がいないことや延長保育など子育て家庭が安心して暮らすことができる環境が整っている町なんですね。
地方で導入が進む電子図書館
地方にはこういった町がたくさんあります。僕が住む場所も、合併前は新治村という小さな村でした。自然豊かでありながら、筑波研究学園都市にも近く、高速道路のICもあり、車がなければ生活は厳しいですが、暮らすのにはいい場所かなと思っています。土浦市となってからも、そんな田舎暮らしは変わっていません。唯一の問題は学校や幼稚園、図書館など子どもにとって必要な場所へのアクセスが不便なこと。これは全国の田舎まちが抱える課題じゃないでしょうか?きっとおいらせ町に住む人も同じじゃないかな?
その青森県おいらせ町立図書館が、電子書籍が借りられる「電子図書館」の運用を始めたようです。パソコンやスマートフォンがあれば、図書館に行かずに24時間いつでも検索、貸し出し、閲覧、返却ができる。電子図書館の運用は県内の公立図書館では初めてという。電子図書館は書籍で「文字の拡大」「音声読み上げ」「色の反転」などができ、小さな文字が見えにくい高齢者や視覚・聴覚障害者に利便性がある。年間150点を購入予定とのこと。
利用できるのは同町に住んでいるか、通勤・通学している人。利用登録が必要で、1人2冊まで借りられる。貸出期間は2週間。期限が来ると自動的に返却される。全国では100館程度運用されている。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で図書館が閉まったり、外出をしづらくなったりしていることで利用が増えているそうです。
コロナ禍じゃなくてもオンライン学習は必要
コロナ禍で、オンラインにおけるコンテンツの購入や閲覧が爆発的に増えていますね。
ウイルスの蔓延や災害によって、教育機会が失われることは由々しき問題。ただ、暮らす場所によって教育機会に差異が生じてしまうのも問題だと思います。田舎暮らしだと図書館をはじめ、塾に通うのもなかなか大変なこと。家族総出で協力し合わないと塾通いもままならないことも。そんな地域に住む者にとって、オンラインで講義を受けたり、電子書籍で参考書や学術書が読めるのは、とてもありがたいことなんですよね。
コロナ禍は第二波を思わせる感染者数となっています。マスコミ報道に惑わされてはいけないけど、事実感染者は増えていて、僕の住む地域でも感染者が出たという話を聞きました。今後コロナ禍が収束する日は来るでしょうけど、オンラインによるコンテンツの提供に関しては、ぜひともこのまま続いてほしいですね。子どもたちが学べる環境を、どんどんオンライン上に築いていきたいものです。
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