電子書籍はもう読まない!?
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電子書籍
電子書籍は買いますか?
僕は紙の本も買いますが、kindle storeのデータが充実し始めてからは基本的に電子書籍を探すようになりました。僕が電子書籍を買う理由は「かさばらないこと」「単価が安いこと」「何冊でも持ち歩けること」この3つです。
ほとんどの人がそうなのではないでしょうかね?それ以外に今の電子書籍のメリットって何があるでしょう?
データ数はまだまだ少ないし、デジタルのデジタルらしい使い方が見られない中で、電子書籍市場が早くも失速を始めているという情報があります。
電子書籍の売上が鈍化している?
2010年、日本でも電子書籍元年のと言われ、Amazonを筆頭に電子書籍事業を展開する企業が、
次々と専用端末を世に出していきました。オリジナルのアプリもわんさかアップされ、ついに電子書籍の時代が来たと思ったものです。紙の書籍は世の中から消えるのか?そんな情報にリアルの書店のみなさんは気が気ではなかったのではないでしょうか?
みんながkindleの新端末に興味を抱き、Amazonが出版業界を丸呑みするとまで書かれていましたね。それに対抗すべく、日本の大手出版社が徒党を組んで戦う姿勢を見せるといった、幕末の黒船来航のような構図も浮かび上がりました。
あの電子書籍元年から5年。
電子書籍の本場アメリカでは、電子書籍の売上が急に鈍化したというのです。
2015年10月8日米国出版社協会が発表した、2015年上半期の出版社の売上高速報によると、2014年上半期に比べて売り上げ高が4.1%減少し、55億8千万ドルとなったそうです。
http://publishers.org/news/aap-statshot-publisher-net-revenue-book-sales-declines-41-first-half-2015
米国出版社協会(Association of American Publishers)
また、米国小売書店協会の統計によると、5年前には1,660ヵ所に1,400店舗しかなかったメンバー書店数が、2015年には2,227ヵ所、1,712店舗に増えているとのこと。
米国小売書店協会のオレン・テチャー会長曰く、
「デジタルサイドでのビジネスが横ばい状態になったことが、我々にとって有利になっています。そのため現在、独立系書店の市場は、ここ長い間に見られた状況より、はるかに健全なものとなっています」
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/45562
(現代ビジネス「アメリカで電子書籍の売上が大失速!やっぱり本は紙で読む?」より)
書店にしかできないことがある
基本的に電子書籍から探す僕も、実は本屋さんが好きなんですよ。今日も買い物帰りにふらりといつもの書店に立ち寄りました。
そこは、Amazonと比べたら何万分の一の品揃えかもしれません(もっとかな?)でも小ぢんまりした店内に、意外と希少な本が売ってたりするんです。特にデザインや写真、語学系の本はちょっと珍しいものがあります。たまに訪れると新しい発見があるんですよね。
検索エンジンもそうですが、Amazonでも自分で探したい本を検索しますよね?そうすると関連本がレコメンドされてきます。あれは便利なんですよね。でも、でもね、本屋さんで感じる喜びとはちょっと違うんですよ。
本屋さんに行く楽しみって、セレンディピティだと思うんですね。
宛もなくふらっと立ち寄って、ぶらぶらしてたら面白そうなタイトルや装丁が目に入って、ついつい手に取って中身を見ちゃう。で、興味があれば買うわけですね。
その探していないのに出会うっていいなぁと思うのです。
街で偶然素敵な人に出会うっていうのでしょうか?居酒屋さんで飲んでたらお隣の方とお近づきになるというのでしょうか?ん、ちょっと違うか…
Sjoerd Lammers street photography
馴染みのお店ともなれば、店主による本の提案なんかもありますよね。
最近はめっきり行かなくなりましたが、神保町の古本屋さんなどに行くと「こりゃもう店主に聞くしかねーな」と思うような、マニアックな世界を展開している書店がいっぱいです。
ほんと、あの街に行くと知的好奇心をくすぐられます。
品揃え豊富で、店内を検索できるといった大手のチェーン店の販売方法は、Amazonによってより便利で効率的になりました。
でも、独立系書店の販売方法はそれとは一線を画す、言ってみれば地域密着のセレクトショップのような役割を担っているのだと思うのです。
生き残り競争ではなくリアル書店と電子書店の共生を考えよう
電子書籍の売上が鈍化しているのは、現時点でそのメリットが僕の挙げた3つくらいしかないからではないでしょうか?デジタルだからこそできる付加価値をもっともっと乗せることで、電子書籍を買う意味が見出されてくると、僕は思います。そして、紙の書籍はこれからも世の中から消えることはないでしょうし、リアル書店も絶対に必要な存在だと思います。
紙の書籍も電子書籍も、電子書店もリアル書店も、それぞれのメリットや特長を伸ばし、相乗効果によって人の暮らしにより役立つものにしていきたいですね。
競争ではなく共生を考えていきましょう。
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