1日新刊300冊の今、あなたの本は売れるのか?
新刊は1日平均200〜300冊出版される
総務省統計局のデータによると、2017年(平成29年)の書籍の出版点数は、総数で75,412点でした。
前年の2016年と比較すると3.5%減。とはいえ、1ヶ月平均にすると約6,200点、1日約200点の作品が出版されているということになります。最近では出版点数は1日300作品とも言われていて、配本される書店さんの苦労を思うと、立ち読みばかりじゃなくちゃんと購入もしようと思っちゃいますね。
ちなみに、各ジャンルでの出版点数は以下の感じ。芸術作品は結構出版点数が多いんですね。平均単価は全体で2,305円です。
これは書籍のみの数字、雑誌を見てみると、年間の出版点数は3,408点です。月あたり約280点、1日約9点の作品が出版されているという計算になります。
さて、私たちオモイカネブックスでも、出版の企画や希望、見積りの連絡を度々頂くことがあります。
小説からビジネス書、学術書、絵本、オーディオブックなど、企画は多岐に渡り、さらに絶版本を電子化したいといったお話も多数寄せられます。自費出版であれ、商業出版であれ、出版することは可能なんですよね。
書店流通するだけでは売れない現実
企画を立てて、原稿を作って、製本用と電子用のデータに編集して、紙ならば印刷製本して書店流通とアマゾンへ納品、電子であればKindleストアにアップすることで、出版は完了です。アマゾンがセルフパブリッシングのKindle Direct Publishing(KDP)を始めたことで、誰でも電子書籍を出版できるようになりました。「でも、紙は売れないでしょ?」と言われてきましたが、Kindleストアでは1冊から注文印刷できるプリント・オン・デマンド(POD)もあり、早ければ注文から2日後に製本されたペーパーバック版の本が届きます。事実上、紙の本を出版し販売することが可能になりました。
ただ、書店に流通させたいというのは著者の想いですよね。これまでは大手取次会社さんと契約していない出版社だと、なかなか書店流通の波には乗せられなかったのですが、いまや流通させる方法はいくつもあります。私たちも書店への流通は可能なんです(諸条件ありますが)。
新たなサービスやデバイス、環境が生まれる中で、書籍を出版するという行為のハードルはどんどん下がってきています。それでも売れる本が作れるどうか?売れるかどうか?って大事ですよね。紙の本は本屋さんで偶然目にして買われることがあるけど、電子書籍は読み方を知らない人も多いし、能動的に検索しないと読まれることがないので売れない、という声もずっと聞いています。確かにその通りだと思うんですね。
でも、紙の本にして書店に流通させたら、本当に売れますか?
もちろんその業界で超が付くほどの有名人で、マスコミを使った大々的なキャンペーンを展開したら売れるかもしれません。購入予約者が販売前に50,000人いたら、そのうち9割くらいは確実に売れるかもしれません。大学の講義で使う参考図書で、毎年1,000人くらいの学生が履修するならば、毎年1,000部は売れるかもしれません。そうでなければ、書店に置かれても売れませんよね?売れないと思うんです。
書店に並んだということが大事で、実際に売るのって本当に大変だと思います。
だって、1日に200冊の新刊が出るんですよ。
その新刊が取次会社によって各書店に配本されるわけですが、配本は書店の規模や売り上げによって左右され、さらに書店に配本された本が、店内の棚に並ぶとは限らないのです。さらに、月に一冊以上本を読むという人の数は年々減少しており、詳しい情報はYouTubeかWikipediaで調べて、SNSで繋がっている人に聞いてみよう、小説を読むより動画がいいというケースが増えているんです。
ファンという出口をつくることが大事
そんな中で、出版して流通させることで売れるかというと、とっても大変なことだと思います。あとは、面白い本を作れるか、話題の本を作れるか、編集者の腕次第みたいなところもありますが、編集者や出版社の営業さんも大変な苦労と努力をされています。
ここまで書いて何が言いたいかというと、本を出版する場合、売り先という出口が必要ということ。
とっても面白くて話題になりそうなコンテンツを持っていても、売り先がなければ他の新刊とともに埋もれてしまいます。では売り先はどうやって作るか?いま、売れている本(芸能人や超有名人は除いて)の多くは、SNSで拡散されて話題になっているものが多く見受けられます。そもそもSNSでネットワークをたくさん持っていて、その友達やフォロワー同士が情報をシェアやリツイートすることで、どんどん話題が広がっていきます。そして販売前からアマゾンで予約を取り、販売されるとレビューが入り、さらに話題になっていく。
SNSで繋がっている人たちは、ある意味自分のファンだったりします。じっくりと関係性を構築して、自分自身のファンになってもらうことで、購読者にもなってくれるわけです。先に書いたように、いかに売り先という出口を持っているかが重要な時代になりました。そのために使える最大のツールがSNSなんですね。
いずれ出版しようと考えている皆さん、ぜひSNSで関係性を作っておきましょう。
出版不況の中でも、きっと皆さんの本を買ってくれるファンが生まれるはずです。
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