実はお客さんは自分の欲しいモノを知らない?!
先日NHKの朝の番組で、こんなことを放送していました。
家事というと、炊事、洗濯、掃除と大きく括られることが多いですが、実はその中は大小様々なカテゴリーに分かれていますよね。炊事一つとっても、ご飯を炊く、パンを焼く、魚を煮るといった調理から、テーブルを拭く、茶碗と箸を並べる、「ごはんできたよー」って家族に何度も声をかける(これが一番大変な仕事かも、、、)細分化すればいくらでも名前のない家事は出てきます。さらに育児も一緒。なんとまあやることいっぱいなんでしょ。世の専業主婦の皆さんの仕事っぷりには頭が下がります。
僕は比較的家事も育児も好きなので、いやむしろ大好きなので、名前のない家事のほとんどが生活のルーティンになっています。もうね、歯磨きするとか、トイレ行くとかと同レベルのルーティン。娘の片方行方不明の靴下なんて、ほぼ毎日探しまわっています。そういうわけで、キッチン周りは僕のオペレーションエリアなんですね。だから、キッチン関連の日用品やグッズを選んで買うのは僕の仕事です。
「こういうものが欲しかった」は大切な心の声
先日キッチングッズの専門店に行きました。よくお世話になっているのが、212キッチンストア。どこかに買い物に出かけた際に、このショップを見かけると必ず立ち寄ります。どこも売っているものはほぼ一緒だけど、新しい発見があると信じてる。
キッチングッズのお店って面白いですよね。岐阜県関市産の美しく磨き上げられた高級包丁とか、イタリア製のおしゃれで高性能なカプチーノマシン、メイドインジャパンこだわりの鉄製フライパンなど、ちょっとお高めで洗練されたアイテムが揃っている。「あーこんなお鍋セットがあったら毎日イタリアン作るわー」なんて思いながら眺めてしまう。絶対に作らないけど、、、。
高級商品もたくさんあるけど、ここで一番興味を引くのがアイディアグッズです。特にお弁当用グッズにはいつも感心させられます。まん丸の小さいなおにぎりを簡単に作るケースや、海苔をキャラクターの形にカットできるもの、ケチャップがワンプッシュでかけられる容器などなど。枚挙にいとまがないほど。そういうアイディア商品を見ては「あーこういうの欲しかったんだよね」っていつも思う。
この間も、ラップを使わずにおにぎりを簡単に握って包めるというグッズがあったんです。包み終わった後は、丸亀製麺で売っているおにぎりみたいになる(知ってますか?)。包みを止めるシールにメッセージも書けるんです。それを見て、「あーこういうの欲しかった!」と思い買ってきました。ラップと比べるとコストパフォーマンスは悪い。でも、便利で時短になって無駄が出ない。そして食べやすい。だから買ってしまう。
でも、具体的にこういう素材で、こういう機能で、このくらいの価格のものが欲しいと、ずっと思っていたわけではなく、実は「おにぎりのラップゴミはやだなー」とか、「アルミホイルの他におにぎり包めるものないかな」とか、「なにか面白いお弁当グッズないかな」って、潜在的に不便だなとかこうだったらいいなと思っていただけなんですね。
SNSで掘り起こす潜在的なウォンツ
人間の消費欲求には、大きく分けて顕在的欲求と潜在的欲求があると思います。お腹が空いたから食べ物を買う、寒くなってきたから冬服を買うといったニーズを満たすための消費は、顕在的な欲求によるところがほとんどです。それに対して、どうせ食べるのなら、自分では気づいていないまさに「あーこういうの欲しかった」と思って消費するのは、潜在的な欲求によるものですね。
モノが溢れ、情報が溢れている現代。多くの消費者は、自分が何が欲しいかを意外と知らない。大事なのはこの「潜在的な欲求」に気づかせてあげること。そこで重要になるのが「価値ある情報」と「関係性」です。数多あるモノの情報から、自分にとって価値があるものかどうかを判断する材料を提供することも必要です。そのためには、そのモノがどんな人のどんな「不」や「課題」の解消に役立つかを、しっかり伝えることが大事ですね。
また、情報は誰が発信しているのかも消費の判断材料となります。どこの誰か知らない、経歴も何もわからない人が、どんなにこの商品は最高です!と言っても、俄かには信じがたい。でも、あなたの友人や知人、お世話になっている先輩などが同じように発信していたら、「あの人が言うなら間違いないかな?」って思いませんか?それが「関係性」です。
この「価値ある情報」発信と、「関係性」づくりに活用できるのがSNSです。SNSはこの2つを満たすのにぴったりのツールです。SNSは決して無料の広告ツールではありません。あくまでもネット上で人と人とが関係性を構築し、誰かの役に立つ価値ある情報を発信して、コミュニケーションをとる場です。ただ自分の商品やサービスをPRするだけでなく、SNSを通じて友好な関係性をつくり、「あーこういうのが欲しかった」って思ってくれるファンをつながっていけるといいですね。
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