受け入れられにくいものが世の中を変える
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電子書籍
謎めいていて不可解なものが世界を変える
最近東京都内の公道を歩いていると、仮装してカートに乗った外国人をよく見かける。日本発のゲームであるマリオカートを具現化したものだ。当人たちは風を切って走り、沿道からの視線を集めて実に心地好さそうだが、他のドライバーたちは些か迷惑そうだ。日本でマリオカートに乗って走るのを楽しみに来る人もいるのだろうか。マリオといえば、1983年(昭和58年)任天堂から発売された家庭用ゲーム機「ファミリーコンピュータ(以下ファミコン)」のソフト「マリオブラザーズ」のキャラクターだ。
当時小学生だった僕は、日々ゲームウォッチに夢中になっていたが、従兄弟の家に行った際にこのファミコンに出会って衝撃を受けた。TVに繋げられた端末に専用のカセットを差し込み、十字キーとABのボタンが付いたコントローラーで主人公を操ってゲームのステージをクリアしていく。画面は横移動のみの2Dだったが、ミニ計算機サイズのゲームウォッチしか見たことがなかった僕にとって、それは夢のような代物だった。しかしこの時僕は、「こんな物が流行るのだろうか?」とも思った。TVに繋がなくては出来ないし、接触が悪いと消えるし、ソフトもそんなに出ていないし、飽きてしまうんじゃないか?そんな風に思っていた。しかし、ご存知の通りその人気は国境を越えていくほどになった。
世界を驚かせるものは時として不可解で、謎めいていて、こんなものはちょっと変わった奴が買うんだよ、、、と訳知り顔の人に言わせたりする。パソコンの世界を大きく変えたWindows、マニアが買うと言われていたMac、インターネット上の情報を様変わりさせたGoogle、いまや生活のインフラとなったiPhone(スマートフォン)などなど、どれも最初は「???」と思うようなものではなかっただろうか。
電子書籍が生活や学びのインフラになる日
今日のYahooニュースに、『小中学生男子は「スマホで電子書籍の方が紙の本より読みやすい」率が高い件』という記事が載っていた。全国学校図書館協議会(SLA)と毎日新聞社が小中高校生男女を対象に毎年実施している「学校読書調査」の2018年報告によるものだ。
「スマホやタブレットなどを使って読書をしたことがあるか」という質問に対して、「読んだことがある」と答えたのは、小学生だと最も低いもので小4男子の24.0%、最も高いもので小6女子の42.8%。中学生だと最低が中1男子の31.7%、最高が中3女子の57.5%。高校生だと最低が高1男子の45.4%、最高が高3女子の58.1%だそうだ。成人の電子書籍の読書経験率が約30%なので、かなり高い数字だ。
https://news.yahoo.co.jp/byline/iidaichishi/20181221-00108481/
電子書籍は読まない、よく分からない、紙をめくる感じがいい、、、などなどなど、まだまだ電子書籍に対する嫌悪感を持った人も多いかと思う。しかしながら、若年層は電子版をチョイスする傾向が強くなっている。デジタル化の波はこの先どんどん大きくなっていくだろう。書籍も然りだ。玉石混合だった電子書籍アプリもストアも整理統合され始め、いよいよここから本格的な普及が始まっていくだろう。これまでの様々な新しものと同じように、いずれ電子書籍がインフラになっていても全然おかしくはない。それまでに、コンテンツホルダーの皆さんは、ぜひ紙から電子へのシフトを急いでもらいたいものだ。
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