日本の読者のために積極的な本の電子化を
兵庫県たつの、宍粟市、上郡、佐用町内にある公立図書館が、パソコンやスマートフォンで読める電子書籍の貸し出しを始めるそうです。初回のみ、図書館で利用者IDの発行が必要ですが、登録をすればあとは図書館に足を運ばなくても利用が可能で、幅広いジャンルの900タイトル以上を読むことができるとのこと。
たつの市立図書館
http://www.city.tatsuno.lg.jp/library/event/index.html#DL
この他にも電子書籍を貸し出す図書館は、徐々に増えて来ていますね。
電子書籍の貸し出しを行う“電子図書館”
http://www7b.biglobe.ne.jp/~yama88/topi_4.html
書店数の減少が止まらない昨今。amazonで買えるからいいやってわけにもいかないですよね。amazonの隆盛によって、宅配業者も配送時間指定を縮小するほどの状況ですから。個人的に、今後はますます図書館の役割が重要になってくると考えています。それも、電子書籍を貸し出す図書館。
出版社の電子書籍づくりがカギになる
図書館で電子書籍を扱うとすると、図書館が蔵書を電子化するか、出版社が紙の書籍と電子書籍を同時に出版して、図書館がそれを導入する方法の二つになるかと思います。これまでの蔵書は、自治体が少しずつ電子化するとしても、今後も本は続々と出版されます。そう考えると、やはり出版社が本を出版する際に、紙と電子の両方を作るといいですね。
出版社に電子書籍の話を持ちかけると、明からさまに反意を唱える人、考えてはいるがすぐには動かないと言う人、そしてすでに電子化は進めているが売れないという3つのタイプに別れます。
一つ目の「反意を唱える人」というのは、例えば絵本や児童書を作っている出版社。これはその作品の性質上、子どもに紙の「本」というものを知ってもらい、触れてもらいたいということがあるので、分からないでもないですね。「本」というのは、紙で出来ていて、そこに文字や絵が書かれていて、ページをめくりながらお話の展開にワクワク、ドキドキする。そういう知識の習得や体験は大事ですからね。いずれ近いうちに、端末で電子絵本を見るという方向にシフトし、電子のシェアも拡大するとは思いますが。
二つ目の「考えているがすぐには動かない」と言う人は、様子見の場合がほとんど。業界内のつながりで、電子化したけど売れない、amazonのkindleでは売れるけど、ロイヤリティが、、、といった情報を受けて、二の足を踏んでいるといったところ。市場の8割が漫画・コミックということで、漫画・コミックを扱っている会社は、積極的に電子化やアプリ化を進めていますね。逆に専門書や学術系の本については、内容の転載の問題などもあり、電子化が進められないという事情もあります。
そして三つ目の「すでに電子化は進めているが売れない」という人。紙の1/10程度の売り上げという声をよく聞きます。もちろん電子出版している規模にもよりますが、概ねそのくらいの売り上げのようです。市場は拡大しているとはいえ、紙の市場と比べるとまだまだ日常的に電子書籍を使っている人は多くはないですから、紙と同じようにはいかないでしょう。
積極的な電子の活用を
いずれにしても出版社は、電子化に積極的ではないですね。電子化する手間・経費と、売り上げの数字を鑑みれば、なかなか電子化に踏み出せないというのもわかります。しかしながら、電子化することで電子書籍ユーザへのアプローチもできますし、図書館での活用により新しい読者層を集めることも可能になります。もちそん、そこで売り上げは立ちませんが、図書館で読者に見てもらうということも重要なマーケティングなのではないでしょうか。
これから様々なコンテンツがますます電子化していくでしょう。
本の電子化、活用について業界全体で考える時ではないでしょうか。
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http://www.g-rexjapan.co.jp/omoikaneproject/author
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