5月になったら衣替え?
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最終更新日:2023/05/06
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GWいかがお過ごしですか?
各地で夏日や真夏日を記録するところもあり、行楽には最高の日になっていますね。
早くも熱中症に注意が必要となっていて、今年の夏がどうなるのかいささか心配です。
こう暑いと、装いも真夏仕様になりますね。もう半袖の服を出した人も多いのではないでしょうか?
本来6月に行う衣替えが、年々早まっている気がします。
江戸時代は4回の衣替えがあった?
「衣替え」はもともと中国の風習で、旧暦の4月1日に冬服を夏服に、10月1日に夏服を冬服に着替えていたことを指していました。日本に伝来したのは平安時代の頃で、中国と同様に年2回、夏と冬の装束を入れ替える貴族の間だけの行事でした。当初は貴族社会だけの習慣で、年に2回夏装束と冬装束に替えるだけでした。
それが江戸時代になると衣替えは年4回に増え、江戸幕府は季節の衣で出仕することを制度化します。さらに期間も着るものもそれぞれ定められていました。
・4月1日〜5月4日まで 袷(あわせ)という裏地付きの着物
・5月5日〜8月末まで 帷子(かたびら)という裏地なしの単衣仕立ての着物を着用
・9月1日〜9月8日まで 1週間程、また袷を着用
・9月9日〜3月末まで 綿入れ(表布と裏布の間に綿を入れた着物)を着用
といったように細かく定められていたそうです。
衣替えは衣服を長持ちさせる秘訣
年4回といっても、当時の人々がみな季節ごとの着物を持っていたわけではないので、季節が変わると手持ちの着物をほどいて、次の季節用に仕立て直し、生地の傷みを抑える虫干しも行われていました。今でも虫干しという人もいますよね。手持ちの衣装を複数の季節で、何年にも渡って着るために、衣替えは必要な行事だったのですね。
因みに皆さん「四月一日(四月朔日)」書いて「わたぬき」さんと読む名前の人にあったことはありますか?富山県を中心とした日本海側に多い名前だそうですが、これは冬の間「綿入れ」という表地と裏地の間に綿が入った着物を着ていたのを、旧暦4月1日に綿入れの綿を抜き、裏地付きの春用着物である袷(あわせ)に仕立て直したところから、四月一日(四月朔日)と書いて「わた」を「ぬく」「わたぬき」となったそうです。人の名前にも昔の衣替えの風習が残っているんですね。
6月1日の衣替えは明治維新から
明治維新で新暦が採用されると、夏服は6月1日~9月30日、冬服が10月1日~5月31日となりました。これが現代の私たちの生活にも残っているのです。学校や官公庁、制服のある企業などでは、全国的に6月1日から夏服、10月1日から冬服に切り替えていますね。
それにしても、平安の昔からなぜ日本人は一斉に衣替えをするのでしょうか?もちろん、6月1日だから全員強制的に半袖!ということはないですが、それまでより若干涼しげな格好を意識するようになりませんか?色合いも秋冬の色から春夏の色へシフトさせていきますよね?ここには日本ならではの感性があります。
日本人は古来より、服装は自分のためだけのものではないと考え、着ている服が周りの人に与える影響も考慮してきたのです。特に大切にしてきたのが季節感。季節を先取りするのは「粋」だけど、過ぎた季節をひきずるのは「野暮」なことだとされてきました。ですので衣替えで季節を先取りし、周りの人にも涼しげな印象を与える努力をしていたのでしょうね。
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