歳をとるのは人の宿命
公開日:
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最終更新日:2023/04/26
昔話
先週末、息子と一緒に筍掘りをしました。
自分の背丈の2.5倍はある筍と写真を撮ったあとは、気合を入れて筍掘りに挑みました。
去年はほとんど手を出さなかったのに、今年は「僕が掘る!」と言って、小さなスコップで一所懸命掘っていました。
子どもは一瞬で成長していきますね。いつまでも元気でいないと!と改めて思いました。
いつまでの若くありたいというのは、女性も男性も同じですね。とはいえ、体が衰えていくのは自然の摂理。年齢を重ねると、若々しい体や健康な体を保つには、相応の努力が要ります。そんな努力なしに、若さを取り戻せるものがあるとしたら、皆さんは欲しいですか?決して怪しい商品の勧誘じゃありませんよ(笑)。
日本の昔話に「若返りの水」というお話があります。「赤ん坊になったおばあさん」という名前でも知られていますね。「若返りの水」ってアンチエイジング商品として、深夜のTVショッピングや通販サイトでもありそうですが、このお話の中の水は本当に体が若返ってしまいます。
偶然その水を見つけて飲んだことで若返ったおじいさんと、それを見たおばあさんがとんでもないことになってしまうというお話です。
では、あらすじを見ていきましょう。
若返りの水のあらすじと教訓
むかしむかし、山のふもとの村に、年老いたおじいさんとおばあさんが住んでいました。
おじいさんは山の木を切って、炭を焼いて近くの町ヘ売りに行くのが仕事でした。
ある日、いつものように山へ薪を取りに行ったおじいさんは、よろよろと山を下り始めました。
その日はとても暑かったので、おじいさんはとても喉が渇いていました。
ふと見ると、岩の間からきれいな水が湧き出ていました。
「これは、ありがたい」と、おじいさんはその水を手ですくって飲みました。
それは冷たくてとてもおいしい水でした。
しばらくすると曲がっていたおじいさんの腰が伸びて、おじいさんはどんどん若返っていきました。
おじいさんは水のおかげで元気が出たと喜んで山を下りて家へ帰りました。
家に着いたおじいさんが「ばあさんや、帰ったよ」と叫ぶと、出迎えに来たおばあさんがびっくり!!
おじいさんの姿を見たおばあさんはびっくりして、目を見開いています。
そこにいたのは、すっかり若返ったおじいさんだったのです。
驚いたおばあさんは、おじいさんに尋ねました。
「何があったんですか、おじいさん!?」
おじいさんもおばあさんに言われて、初めて自分が若返っている事に気づきました。
「きっとあの水を飲んだせいだ。あれは若返りの水だったんだな。」
おじいさんは、山で見つけた水の話しをおばあさんに聞かせました。
「まあ、そんな水があるなら、わたしも行って飲んでみましょう」
おばあさんはそう言って笑いました。
明日には自分も泉の水を飲んで若返る事を想像しながら、おばあさんは眠りにつきました。
次の日、おばあさんは朝早くから山へ出かけて行きました。
おじいさんは、おばあさんがさぞかし若くきれいになって帰って来るだろうと、楽しみにして待っていました。
ところが昼になっても、夜になっても、おばあさんは帰ってきません。
おじいさんは心配になって、村の人たちと山へ探しに行きました。
しかし、どこを探してもおばあさんの姿はありません。
「いったい、どこへ行ってしまったんだろう?」とみんなで話し合っていると、
「オギャー、オギャー」と草むらの中から、赤ん坊の泣き声が聞こえて来ました。
おじいさんが近づいてみると、おばあさんの着物を着た赤ちゃんが、泣いているではありませんか!
おばあさんは水をたくさん飲みすぎて、赤ん坊まで若返ってしまったのです。
驚いたおじいさんは赤ん坊を抱き上げて、「馬鹿だなあ、ばあさんの奴。飲み過ぎて赤ん坊になってしもうた。」
おじいさんはガックリとうなだれながら、赤ん坊を抱いて家へ帰りました。
というお話です。
若さへの渇望は、今も昔も変わらないんですね。もっと若く、もっと若くと欲をかいて水を飲んでしまったばかりに、おばあさんは赤ん坊に戻ってしまいました。現代でもアンチエイジングの商品は数多ありますが、あまり若さを求めすぎてしまうと、赤ん坊にはなりませんがお金が底をついてしまうかもしれませんね。
このお話の教訓は、人間何かと欲はつきませんが、ほどほどにしておいた方がいいということ。
しっかりトレーニングして、健康的で若々しい体をつくりましょう!
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