自己流の美しさがここにある〜障がい者アートの世界〜

公開日： 2023/02/23 : 障がい者アート

アートやデザインの世界に進出する障がい者アート

月替わりの御朱印を授与している愛媛県松山市にある三津厳島神社で、障がい者アーティストの作品をデザインした限定御朱印の第1弾が登場したというニュースがありました。最近ではパラアートなどと呼ばれ、様々なところで障がい者アートを目にするようになりました。御朱印×障がい者アートも面白いですね。

（出典）愛媛新聞社より

障がい者アートとは、身体的、知的、精神的な障がいを持つ人たちが制作する芸術作品のことを指します。障がい者の創造性や表現力を育むことで、彼らの自己実現や社会参加を促進する役割を果たしています。

障がい者アートは、その独特な表現や美しさから、一般の芸術作品と同様に注目を集めています。また、障がい者の生きる力や可能性を伝えるメッセージを含んでいることが多く、社会的な役割も果たしています。

近年では、障がい者アートを展示する美術館やギャラリーが増加し、社会的な注目度が高まっていますね。また、障がい者アートの制作者たちが、アートフェアや展示会などで積極的に発表することで、より多くの人々にアートの楽しみや、障がい者の表現力の豊かさを伝えています。

障がい者アートは、障がい者の芸術的な才能を育て、社会的な参加や自己実現を促すだけでなく、一般の人々にも感動や新たな発見を与える重要な存在となっています。

高額取引もある！海外アール・ブリュット

海外では、アール・ブリュットの作品が高値で取引されることもあります。2018年には、アメリカのオークションで、フランスのアール・ブリュット芸術家ジャン・デュビュフェの作品が200万ドル以上で落札されるという記録的な成果が出ました。

2020年には、スイスのローザンヌにあるアール・ブリュット美術館で、「アール・ブリュットをめぐる旅」という展覧会が開催されました。この展覧会では、アール・ブリュットの芸術家たちが作品を制作する中で、自然や旅が与えた影響をテーマにした作品が展示されました。

また、2021年には、日本の東京都現代美術館で「コレクション・ド・ラルス・ブリュット東京の視線」という展覧会が開催されました。この展覧会では、アール・ブリュットのコレクションから厳選された作品が展示され、多くの来場者に注目されました。

最近では、アール・ブリュット芸術家たちの生涯や作品について、ドキュメンタリーや書籍が制作されています。これによって、アール・ブリュットの魅力や独自性がより多くの人々に伝えられるようになっていますね。

アール・ブリュットは、フランス語で「生の芸術」を意味し、一般的には「アウトサイダーアート」として知られています。これは、芸術教育を受けていない人々が自発的に創造した芸術作品を指します。この分野の芸術家たちは、一般的には知られていないことが多く、作品は個人のコレクションや小さな美術館に展示されていることが多いのが特徴です。

アール・ブリュットの現状は、地域によって異なりますが、一般的には注目を集めています。これは、伝統的な美術や現代美術とは異なる独自の価値や魅力を持ち、多様性を反映するとされるためです。また、一部の芸術家たちは、芸術市場において高い評価を得ることもあります。

観る人が何を感じるかが大事

日本では、芸術に対して伝統的な美意識が強く、アール・ブリュットのような独自のスタイルに対しては理解が進んでいませんでした。しかし、最近では、アール・ブリュットに対する関心が高まり、国内外の美術館で展示会が開催され、障がい者アート共に注目されるようになってきているのです。

私自身は芸術に関しての知識も、絵心もありませんが、それでも障がい者アートが発するオーラというか、エネルギーを強く感じます。芸術教育を受けているか、何かの派に属しているか、そんなこと関係なく、「良いものは良い」というのがアートの真髄なのではないかと思います。私たちが世に出した、障がい者アートによる「日本の昔話名作シリーズバイリンガル絵本」も、世界の人たちの心を揺さぶってくれるものと思っています。