本を電子化して世界の読者へ届けよう
公開日:
:
最終更新日:2023/01/21
電子書籍
「突然著書が絶版になってしまった、、、。なんとか継続して販売できないだろうか?」
時折、私のところにこういったお問合せを下さる方がいらっしゃいます。
出版不況と言われて久しいですが、コロナ禍も相まって、業務を停止する出版社さんが増えてきています。
日本の知的財産を後世に遺すために
先日ご連絡を下さった著者さんも、やはり著書を出版してくれた出版社さんが業務停止となり、突然絶版になってしまったという
ことでした。この書籍は大学の講座でも利用されているため、急ぎデータを電子化して、アマゾンで在庫を持つ必要のないプリント・オン・デマンド版の販売を開始しました。
版権が譲渡され、引き続き別の出版社さん名義で販売されるというケースもありますが、重版は見込めず、結局絶版になるというお話をたくさん聞きます。
医学博士のF先生は、1991年に出版した2冊の本を電子化しました。当初は「すごく売れなくてもいいから、絶版後になくなってしまわないように電子化しておきたい」ということで、一部加筆と修正を施して電子化しました。
ところが、蓋を開けてみれば、数は多くないものの毎月コンスタントに売れています。これには著者であるF先生が一番驚いておられました。学術書は時代を問わず読み継がれるものです。それは電子化しても同じでした。「中古しかなくなってしまい高額になっていたので、電子版でも読めるのは嬉しい!」という読者の喜びの声も頂きました。
私たちは日本の文化や学術、ビジネスに関する本を扱っていますが、どれを見ても後世に残しておきたい貴重な作品です。絶版や重版未定となっている作品をもう一度蘇らせて、これからの読者に届けたいと思っています。
電子化は電子書籍で販売するだけじゃない
「電子書籍は見ない」「電子書籍は読み方がわからない」という声はまだまだ多いですね。書籍を電子化したり、電子書籍を出版したりという話をすると、7割以上の人からこんな反応が返ってきます。今後デジタル化の波はより大きくなって、私たちの生活を呑み込んでいくと思いますが、日本はまだ紙の本が基本ですね。
ならば、紙も再販してしまえばいいんです。
アマゾンを利用することで、電子書籍も紙の本も再販することができます。
既刊本の原本を非破壊でスキャンして、テキストデータを文字起こしし、電子用データと紙の本(ペーパーバック)のデータを作ることで、在庫不要で紙の本を再販することができます。作るのはデジタルデータなので、追記や修正は継続的に行うことも可能です。
電子書籍だけだけだと、再販してもメリットが薄いと思っている人がいたら、是非アマゾンのプリント・オン・デマンド
の仕組みを活用して欲しいと思います。
デジタル大国で求められる日本の本
「でも、電子書籍は売れないでしょ?」という声もよく聞きます。たしかに、電子書籍市場が出版市場の3分の1を占めるようになった現在でも、本の中心は紙ですね。電子=マンガというイメージも強いのかと思います。
しかし、お隣り中国では、電子書籍が基本でもっと言えば「聴く本」である、オーディオブックの市場が拡大しています。
ご存知の方も多いと思いますが、中国はもはやデジタル大国です。多くの人がスマートフォンを所有し、音楽や動画、電子書籍などの
デジタルコンテンツを楽しみつつ、ライブコマースで物を買い、キャッシュレスで支払いを済ませているんですね。
CNNICの第43次中国互聯網絡発展状況統計報告(2019年2月)によると、2018年12月時点でインターネットユーザー数は8億2851万人。普及率では全人口の59.6%です。そのほとんどがスマートフォンなどを利用したモバイルインターネットユーザーで、その数は8億1698万人、ネットユーザー全体の98.6%を占めています。
日本の出版市場が落ち込む中、2019年の中国出版市場は1兆5,494億円という数字。これは前年対比で14.4%増とのこと。どんな本が売れているかというと、ジャンル別では、学術書、児童書、文学がトップ3だそうです。中国では日本の児童書、特に絵本が大人気なんですね。
「中国のことはわかったけど、日本で電子書籍は売れないでしょ?」と言われそうですが、実はいま、中国では日本語の本を求める人が増えています。特に研究機関や学術機関、教育団体で、日本語の本の需要が高まっているのです。その多くが電子書籍なんですね。
紙の本だと輸出、配送、検閲など相当の時間と手間がかかりますが、電子書籍ならデータをインターネットで送るだけ。内容の精査は中国の仲介業者が行ってくれます。
何を言いたいかというと、電子書籍の販売は何も国内だけではないということです。紙から電子になることで、販売のターゲットは世界になるのです。そしていま、世界では約350万人の人が、教育機関で日本語や日本文化を学んでいます。日本が好き、日本に興味があるという人を含めると、その数は何倍にもなるでしょう。
デジタル化により、国境という障壁がなくなりつつある出版市場において、国内だけでなく全世界を視野に入れた本の販売を考えてみませんか?
既刊本、絶版本を電子と紙で再販します。
お見積もりは無料です。こちらからお気軽にお問い合わせ下さい。
https://omoikanebooks.wixsite.com/electronicpod
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