進化するKindleデバイス 電子書籍はAmazon一択が続くか?
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最終更新日:2022/10/29
kindle
1週間以内にAmazonの電子書籍を丸ごと読んで、簡単にお金を取り戻せるということはできません。
これまでAmazonの電子書籍Kindleは、購入から7日以内であれば返品することが可能でした。The Author’s Guildが9月29日に発表したところによると、今後このポリシーが変わるようです。この方針転換は年内に実施される予定で、読者が本を買いあさり、すぐにお金を返してもらうことを防ぐといいます。
その代わり、読者が電子書籍の10%以下しか読んでいない場合にのみ返品を可能とするようです。簡単に10%以上って言うけれど、本の長さによって分量が違うので、確認に時間がかかりそうですね。審査プロセスが長くなりそう。まあ、そこはAmazonだから、リアルタイムでチェックできるようにするのでしょうけど。
著者の権利を守るAmazonの取り組み
なぜこんな事態になったかというと、全米作家協会とAmazonのシニアエグゼクティブ層との話し合いがあったとか。たしかに、著者としては返品になれば売上はゼロになるわけで、ロイヤリティーが入ってきません。作品をただ読みされるだけになってしまう。それを防ぎたいというのはあるでしょうね。
現に作家のための専門組織である米オーサーズ・ギルドは、「このプロセスは、電子書籍の購入、閲覧、7日以内の返品に対する強い抑止力になる」と声明で述べていて、「この返品ポリシーを悪用しようとする読者は、アマゾンのポリシーに基づいて罰せられるだろう」とも述べています。オーサーズ・ギルドの声明では、返品制度を悪用した人にどのような罰則が待っているのか、それ以上の詳細は明らかにされていませんが、何らかの罰則はありそうです。
ある作家のリサ・ケスラーさんは6月、ツイッターで、アマゾンの方針で過剰な返品がされたため、印税を得る代わりに同社にお金を借りることになったと述べた。「著者も食っていかなければならない」とケスラー氏は語っているとのこと。
これに対してアマゾンの広報担当者は、「顧客と著者に最高の体験を提供するために、我々は常にフィードバックに耳を傾けています」「我々は全体的な低リターンを見続ける一方で、我々は年末までに10%を超えて読んだ本のためのセルフサービスの返品オプションを無効にします。」とコメントしています。
電子書籍の返品って耳にしたことがない人も多いのではないかと思います。そもそもモノがないので、返品と言ってもピンと来ないかもしれませんね。電子書籍は自分の所有物にもならないわけだし。このポリシー変更は、アマゾンから購入した電子書籍の読み方や返品方法を説明するTikTokユーザーによって一部で広まったことで、話が進んだと言われています。
そんな話題が出た日に、Amazonからもう1つのニュースが。
書き込みができるKindleデバイス登場
Amazonが、Kindleシリーズ初の読み書き対応の10.2型電子書籍リーダー「Kindle Scribe」を発表しました。Amazon.co.jpでもすでに予約受付が始まっており、11月30日出荷開始予定となっている。価格は4万7980円から。
ついに、Kindleでスタイラスペンが使えるようになるんですね。
スタイラスペンは、「スタンダードペン」「プレミアムペン」の2種類があり、ともに本体にマグネットで取付が可能。プレミアムペンにのみショートカットボタンがあり、消しゴムや付箋追加といった機能を割り当てられるそうです。読書中のメモはもちろんのこと、手書きノートやToDoリストの作成、PDFファイルへの書き込みなども可能になります。ペンを使うことで手書きの付箋を追加できるってのもいいですね。
いまや電子書籍はAmazon Kindle一択の状況ですが、コンテンツ量、サービス、UI、カスタマーファースト、そして高機能デバイスとなると、他はなかなか太刀打ちできそうにないですね。個人的にはGoogle Play Bookにも期待していますが、Googleがどの段階で電子書籍に注力してくるか、その動向が気になるところです。
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