どうなる?スウェーデン進出準備中のアマゾン
アマゾンというと世界中に進出していて、各国のEC市場を席巻しているというイメージがありませんか?ちょっと前まで僕はそう思っていました。でも実は、アマゾンが進出している国は日本を含めて16カ国。中国については2019年8月から撤退の話が出ていて、現在も中国で「Amazon.cn」を運営していますが、輸入品を中国の消費者に販売する機能しかありません。2019年7月に小売事業者が各々販売できる中国マーケットプレイスを閉鎖しています。それでも米国国内と全世界のAmazonサイトが販売した流通総額(GMV)は3,404億ドルに達し、全世界のオンライン小売総販売額3兆6,900億ドルの9.2%に相当します。すごいですね。
アマゾンがスウェーデンへ進出準備中
そのアマゾンがいま北欧への進出を準備しているようです。北欧諸国の顧客は、現在アマゾンのドイツサイトなど、同社の欧州サイトを通じ買い物をすることが可能ですが、割高な配送コストの支払いを余儀なくされています。アマゾン・ドット・コムがスウェーデン国内向けのサービス開始に向けた準備を進めていることを明らかしてから2ヶ月あまり、ローンチの発表はまだありませんが、おそらく間も無くスタートでしょうね。スウェーデンでは、現在の市場の競争を激化させるであろうという意見と同時に、小さなスウェーデンブランドが国際市場に参入するチャンスにもなるといった歓迎のムードもあるようです。
日本にアマゾンが進出した際も、同様の二極化した意見が出ていましたね。書店はアマゾンによって顧客を奪われ、倒産も余儀なくされるという懸念を抱き、著者候補や中小出版社はまたとないビジネスチャンスを期待しました。現在はその未来予想図に近い状態になっていますね。電子書籍を個人でも出版できるKindle Direct Publishing(KDP)がスタートして、事実上誰でも出版ができるようになり、アマゾンが進出する国へ販売できるようになりました。日本ではまだまだですが、アメリカでは電子書籍でベストセラーになっているケースもたくさんあります。そう考えると、国内需要より海外市場を見据える北欧諸国にとって、アマゾンの進出は歓迎すべきことかもしれません。
北欧諸国で成功をつかめるのか?
ときに、スウェーデン、デンマーク、ノルウェー 、フィンランドでは、スターバックスがほとんどありません。世界でコーヒー消費量が上位を占める北欧諸国なのに。ではどこがシェアを持っているのか?それはespresso house。4カ国で比較するとスターバックスが64店舗、espresso houseが430店舗。歴然たる差!espresso houseは店内の雰囲気はもちろんのこと、取り揃えるメニューもコーヒー好きの北欧諸国の人々の好みに合わせているんですね。espresso houseのほかにも、素敵なコーヒーショップやベーカリー併設のお店がたくさんあります。ゆっくりとFIKAしようと思ったら、スターバックスよりもそういったコーヒーショップの方が好まれるのかもしれませんね。
独自の文化的価値観を持った北欧各国で、アマゾンが受け入れられるのか、またどういったビジネスを展開していくのか注目するところです。個人的には、北欧各国のコンテンツがアマゾンを通じて入手できる可能性が高まるので楽しみです(まずはKindle版だけでしょうけど)。
アマゾンは今後さらに進出国を増やしていくでしょうし、新たなサービスもどんどん展開するでしょう。それだけ、世界へ発信していくチャンスも広がって行きます。いま私たちがやっておくべきは、電子書籍やプリント・オン・デマンド、オーディブルなど、様々なプラットフォームにコンテンツを対応しておくことでしょうね。今後コンテンツ発信を考えている方は、アマゾンの一挙手一投足に注目です。
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