オンライン書店のニューウェーブ メルカリブックスとは?
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電子書籍
みなさんオンライン書店と聞くとどこを思い浮かべますか?やはりAmazonと答える人が多いですかね。多くの人が認識している通り、オンライン書店のシェアNo.1はダントツでAmazonです。Amazon次いで、楽天ブックス、Yahoo!ショッピングが続いています(2018年「オンライン書店の利用に関する調査」MMD研究所より)。
オンライン書店のニューウェーブ来る
日本の出版物流通額(電子含む)は2018年時点で1兆6,557億円です。この数字が多いのか少ないのかというと、10年前はなんと2兆1,612億円ありました。10年前に比べて約24%減少しています(「出版物販売額の実態2019年版」日本出版販売調べより)。店舗型書店とオンライン書店の購入比率としては、店舗型が69%、オンライン書店は31%となっています。しかし店舗型書店の比率も10年前との比較すると、同じく24%減となっているのです。まあ、10年前だとほぼ店舗でしたからね。オンライン書店の購入比率は約3割とはいえ、オンラインへのシフトは確実に進んでいます。
オンライン書店のシェアは、前記の3サービスがトップ3の地位を築いていますが、その牙城に迫る新しいサービスが出てきています。フリマアプリ「メルカリ」が運営する「メルカリブックス」。
メルカリといえば、ネット上のフリーマーケットとしてよく知られた存在ですね。現在、日本とアメリカでサービスを提供していて、ダウンロード数は1億を超えているといわれています。日本ではダントツの規模を誇るフリマアプリで、ユーザー層は女性が8割といわれていて、年齢層は比較的若くて、20代、30代が多いようです。
そんなメルカリに新品の本を購入できるメルカリブックスというサービスがあります。メルカリは2017年に出版取次のトーハンと組んで、メルカリブックスで新刊本を販売しています。ただ、メルカリブックスは、メルカリユーザー以外は利用できない仕組みになっていてトップページもなく、グーグル検索をしても古本はでてきても新刊の販売ページにはたどり着けないのです。メルカリアプリで書籍名を検索すると、比較的新刊の場合は新品の販売ページが表れます。またメルカリ内の検索で本の名前を検索すると、一般の出品の上の方に、横に流れてるメルカリブックスの広告が表示されることがあり、ここからメルカリブックスに行くことも可能です。
購入できる作品点数の少なさや、Amazonのように翌日届くということはなく届くまでに時間を要するため、ユーザーからの不満の声もあるようですが、メルカリの売り上げやポイントがそのまま使えるので、メルカリで出品しているユーザーにとってはお得かもしれませんね。
ユーザーを取り込みユーザビリティーを集めることが肝要
先月発表されたスマホ決済サービスの満足度(oricon ME調べ)において、メルカリの決済機能メルペイがPayPay、楽天ペイなどを差し置いて総合1位になったという結果が出ています。メルカリがオンライン書店としてAmazonに対抗していくとは考えにくいですが、多くのユーザーを抱えるメインサービスのサブコンテンツとして、ポイントや決済機能を活用しながら展開していくやり方はとても興味深いですね。
そもそも本はほぼ100%リアル店舗で購入され、再販制度の中で出版社・取次・書店の関係が保たれてきた日本。オンライン書店が登場し、オンラインでの中古本の販売・購入も一般化し、さらにいまAmazonが出版社直取引を進め、メルカリのようなフリマアプリサービスなどが台頭してきた中で、本の出し方・売り方・買い方・読み方は大きく変貌を遂げようとしています。この進化に対応していくことが、出版社や書店の生き残りにつながっていくでしょうね。
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