いよいよ本当の電子書籍元年が来るか?
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電子書籍
世界のブックフェアがデジタル移行
もう15年以上前に北欧を旅した時、僕はどうしても来なってスウェーデンのヨーテボリという街に滞在しました。なぜ気になったか?いまだにその理由は分かりませんが、流浪の旅だったこともあって、何かを感じる街に行ってみたいと思ったのですね。
ヨーテボリは太古から港町として栄えた街で、運河が流れその運河に沿ってヨーロッパらしい美しい建物が立ち並ぶ、歴史的な風景が広がる場所でした。とてものどかな雰囲気が残っていて、人もあたたかい素敵なところです。自動車メーカーボルボの本社もあり、博物館をのんびりと眺めてきました。
そんなヨーテボリでは、1985年年からヨーテボリブックフェアという本の見本市が開催されているんですね。毎年約90,000人が訪れるフェアで、今年は9/24〜27まで開催されています。コロナ禍の影響もあり、様々なプログラムがオンラインストリーミングサービスで実施されています。視聴は無料で、放送は後で見ることも可能。書籍は、デジタルブックフェア上でも購入ができるんですね。他の様々なイベント同様、今年は世界中のブックフェアがオンラインで開催されます。
第2次世界大戦後の1949年に第1回が開かれ、今年でちょうど60周年の節目の年を迎える歴史ある本の見本市「フランクフルト・ブックフェア」。今年は10月14~18日に開催され、世界各国から出版関係者や著者、イラストレーター、翻訳家、また音楽業界や映画業界などマルチメディア業者が集まる予定だったようですが、各国の渡航制限解除に改善が見られないこと、また10月からヨーロッパ圏内で新たな外出制限が行われる見込みもあり、来場が困難になることなどを理由に中止を決めたとのこと。こちらもデジタルプログラム、オンラインイベントを設けて、開催する予定です。
本当の電子書籍元年が訪れる?
また中国では、第27回北京インターナショナルブックフェア(BIBF)が9月26日に開幕します。世界第二の規模と言われるこちらの見本市も今回はリモート開催で行われ、創設34年を迎えたBIBFがオンライン形式で開催されるのは今回が初めてとなります。現時点で、68ヶ国・地域の1000社以上が出展に向けてオンライン登録を済ませていて、出展される図書2万3000冊がネット上にアップされているそうです。
いつかは行ってみたいと思っていたこういった見本市が、デジタルストリーミングで配信され、会場の熱気は感じられないまでも、時間と労力とお金をかけないと見ることのできないものが、居ながらにして見られるというのは何ともありがたいものですね。
実際に会場に行って、ピンと来た本をパラパラめくってみたい気もしますが、そこは電子書籍があります。インターネット環境とスマホがあれば、電子書籍を購入してすぐにでも読むことができる。歴史ある本の見本市がきっかけとなり、電子書籍の活用がさらに拡大するのではないでしょうか?
電子書籍元年と騒がれた2010年から10年。いよいよ本当の元年がやってくるかもしれない?
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