進む郷土歴史資料の電子化
外出自粛期間に郷土の歴史を知ろう
埼玉県久喜市をご存知ですか?
埼玉県東部に位置し都心までは約50kmのところにあります。久喜市は平成の大合併の際に、久喜市・菖蒲町・栗橋町・鷲宮町が合併し久喜市となりました。車でのアクセスは、東北自動車道久喜インターチェンジがあり、また国道4号線や125号線が走っています。鉄道は、JR宇都宮線、東武鉄道伊勢崎線・日光線の3路線が通っていて、隣接する都道府県からのアクセスは便利ですね。そのため東京都内へ通勤する人のベッドタウンにもなっています。出雲族の草創に係る関東最古の大社である(諸説あり)鷲宮神社、権現堂公園、菖蒲城址(城址あやめ園)や日光街道の栗橋宿などの史跡・名勝もあるんですね。僕の妻が久喜市の出身ということもあり、結婚してからは、盆暮れ正月、冠婚葬祭の折に家族で久喜市を訪れます。
さて、そんな久喜市から、4月19日に歴史・文化財関係の図書を電子化して公開との発表がありました。
電子化して配信されているのは、久喜市の歴史と文化財について一つのテーマを詳細に紹介するシリーズ『久喜市の歴史と文化財』、久喜市にゆかりのある人物について、歴史資料を取り上げながら、専門家(監修者)による寄稿文、歴史資料の本文と現代語訳などを掲載し分かりやすく解説するシリーズ『日光道中栗橋宿・栗橋関所』、久喜市立郷土資料館で発行している郷土資料館だより『笛の音』(創刊号から10号)。
電子化の意図について、市のホームページに記載はありませんが、新型コロナウイルスによる外出自粛の中で、少しでも多くの人にコンテンツを届けようという思いがあるのではないでしょうか。外出自粛により、普段は出来ないことをする人が増えていますね。僕もそうですが、自分の生まれ育った地域の歴史や、ルーツなどを調べてみようかな?と思う人も結構いるのではないでしょうか?特に長年その地に住んでいる人は、そんな想いに駆られるかもしれませんね。
電子化によって受け継がれる大切なこと
僕のような中年期の人だけでなく、休校措置で学校に行けない子どもたちも是非こういった作品は読んでもらいたい。これから社会に出ていき、海外にも出ていくかもしれないでしょ。そうなると自分の国について、郷土について話す機会が必ずやってくるはず。その時にきちんと自国のこと自分の郷土のことを話せるって、とても重要なんですよね(僕もそんな機会があって苦労した)。おそらく久喜の教育部文化財保護課にもそういう意図があるのではないかな。
郷土史や地域の文化、慣習、学校などの歴史に関する資料って、紙ベースでは残っているけど、合併や統廃合によって失われてしまうケースおあるようです。語り部たちの高齢化や死去によって、貴重な史実は受け継がれることなく葬られてしまうこともあります。大切な郷土の歴史をぜひ電子化して受け継いでいってもらいたいものですね。
ちなみに、久喜市の電子化資料はPDFなので、PCやスマホ、タブレットで誰でも閲覧することができます。ダウンロードも可能なので、オフラインでも読むことができますよ。再配布等の2次利用は禁止です。きっと僕の妻も自分の生まれた郷土の歴史のことをあまり知らないと思う。自粛期間中に一緒に眺めてみようかな。
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