進化するデバイスと倒産する出版社
最近折りたたみ式のスマホが発表されていますね。いわゆるフォルダブルタイプ。
プロトタイプのような画像が出てから一年足らずで製品化されてしまった。イメージから製品化、リリースまでがものすごく早い時代。そしてどこかのメーカーが発表すると、各社が続々と追随して販売を開始する。このフォルダブルタイプも一気に広まりを見せそうです。
読書がしやすいフォルダブルスマホ
今販売されているものとしては、サムスン電子の「Galaxy Fold」。国内ではauを通じて販売されていますね。開くと7.3型、閉じると4.6型になる躯体。CPUはSnapdragon855、メモリは12GB、ストレージは512GB、Wi-Fi6対応、前後に6つのカメラを搭載するというハイスペックモデルです。さらにNFC、顔認証、指紋認証、Qiなど機能も満載。ただし価格は24万円。PCよりも高額だけど、人によってはこっちの方が欲しいでしょうね。
そして、LGエレクトロニクス・ジャパンの「LG G8X ThinQ」。ディスプレイつきケースを組みわせることで、2画面表示を実現したAndroidスマートフォン。1つのアプリを大画面で表示したり、左右2つの画面で異なるアプリを表示したりできる。画面は2つに分離しているけど、電子書籍などのように元々コンテンツが左右に分かれていればまったく問題ないようです。こちらは電子書籍やコミックなど読書コンテンツに適していますね。こちらも、防水防塵、おサイフケータイ、Qiに対応していて、価格はディスプレイ付きのケース込みで5万円台。国内ではソフトバンクから販売されています。
フォルダブルタイプが広がることで、電子書籍やコミックは断然読みやすくなり、電子の市場はまた拡大していくと予測しています。さらに、見開きにすることで画面が7.3インチになるので、テキストや参考書も読みやすくなるのではないかと思います。スタイラスペンを使うことで、マーカーを引いたり書き込みも出来るようになり、学習での活用幅が広がるでしょうね。
止まらない出版社の倒産
先日、歴史ある学術系出版社さんの廃業の話を聞きました。
以前からこのブログでも書いていますが、また老舗の出版社が倒産します。倒産となれば当然新たに印刷製本されることはなく、これまでの出版物は在庫と中古を残して絶版となるわけです。学術系となれば、様々な学校や講座などで使用される作品も多く、書店も著者も購読者も困ってしまいますね。
かといってすべて電子書籍にしてしまうと、タブレットや前記したようなフォルタブルスマホといったデバイスを持っていない人も多いでしょうし、電子書籍をどうやって見ればいいのか分からないという人もいて、かえって混乱を招きかねません。そこで考えられるのが、オンデマンド印刷。アマゾンのKindleストアでもよく見られるになったプリント・オン・デマンド。必要な時に必要な部数を印刷製本し、販売するものです。主にペーパーバックなので、上製本でカバーや帯のついた装丁に拘ったものは作れませんが、並製本のソフトカバーのものはできます。個人的には、大事なのは中身じゃないかと思うんですよね。
以前のブログでも書きましたが、電子市場が拡大することで紙の本が売れなくなるわけではなく、いまの出版市場にはもっともっと深刻な課題があります。様々な要因が折り重なって、書店や出版社の廃業を招き、出版不況を作り出しているのです。今後新たなデバイスが次々と生み出される一方で、出版社と書店の淘汰が進んでいくのでしょうか。それにより貴重な作品が絶版になったり、手に入らなくなることのないよう、僕たちは電子化とオンデマンドをしっかりと進めていきます。
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