図書館はデジタルの時代へ
図書館へのアクセスが変わる
夏休みも残り10日ほど。宿題に追われる毎日を送る学生さんも多いのではないだろうか?我が家でもここ数日は宿題が終わったどうかの確認で、妻と娘の叫び声が響いている。夏休みの宿題と言うと皆さんは何を思い出すだろうか?僕は自由研究と読書感想文が思い出深い。なぜか?どちらも苦手だったからだ。
自由研究はアイデアを出す段階で毎回挫折していた記憶がある。そもそもあまりいろいろなことに好奇心のない子どもだったので、「はてな?」と思うことが少なかった。自由に研究しろと言われても、、、と思い悩んだものだ。
読書感想文については、今でこそ本は好きだが、小・中学性の頃は読書が苦手だった。厳密に言うと、好きでもない本を読むのが嫌だった。読書感想文の場合指定図書があり、皆が同じ本を読んで感想をまとめるパターンだった。面白いと思わない本を読んで感想を書けって言われても、、、と思い悩んだものだ。夏休み後半は本当に悩みの多い期間だったな。
いまはどうなのだろう?うちの地域の学校は、指定図書があるようで、その数とジャンルは昔よりも多いようだ。ただ、本は購入するか図書館で借りる必要がある。アマゾンで買うか、図書館で借りるか?特に好きでもない本であれば、図書館で借りるという選択になるだろう。しかし、図書館の蔵書にその本がないかもしれないし、貸し出し中かもしれない。実に面倒だなぁと思ってしまう。
こういう時に電子図書館が便利ではないだろうか?図書館はその市区町村に居住しているか、勤務していないと本を借りることができない場合が多い。電子図書館も同様であることが多いが、現在ではどこからでも借りられるところも増えている。デジタルコンテンツだから当たり前と言えば、当たり前だが。
各地で広がる電子図書館システム
岐阜市宇佐にある岐阜県図書館が、今年の7月から電子書籍を利用できる新サービスを開始したそうだ。システムは、学術書や専門書を中心とする紀伊國屋書店の電子図書館「KinoDen」を活用している。電子書籍サービスの導入は東海地方の県立図書館で初めてとのこと。
利用できる電子書籍は、ビジネスや健康、医療、法律の専門書、辞書など700冊以上、パソコンやスマートフォンを使って24時間、無料で閲覧できる。1冊につき1人だけ利用できるが、2人目以降も試し読みは可能だ。全文から言葉を検索できるほか、しおりを挟んだり、マーカーで書き込んだりできる。この辺りは一般的な電子書籍閲覧アプリと同様だ。サービスを開始してから、およそ1カ月で1,300件以上の利用があったという。電子書籍については遠隔地からいつでも利用できるということで、県図書館の担当者は「使い方の幅が広く、より多くの人に県図書館に親しんでもらえる。紙媒体の魅力の再発掘にもつながれば」と語っている。
KinoDen(キノデン)は、紀伊國屋書店が提供する学術和書電子図書館サービスで、2018年1月にリリースし、2019年夏の段階で搭載タイトルは2万点、導入機関は国内外で150機関を超える。
https://www.kinokuniya.co.jp/03f/ebook/kinoden/index.html
電子図書館システムでは、メディアドゥが代理店となっており、ヨーロッパやアジア、アフリカなど100以上の言語による340万を越えるコンテンツを取り揃える、アメリカのOverDriveが先行していたが、国内では日本のKinoDenが追随している。
スマホ保有者がますます拡大し、本へのアクセスや閲覧方法が大きく変化することで、ますます図書館における電子書籍活用が増えるだろう。それに伴い、過去に出版された作品の電子化も進める必要がある。ぜひこれまで出版された著作権者のみなさんは電子化を検討して頂きたいと思う。
書籍、カタログ、マニュアルの電子化を承っています。
オモイカネブックス電子化サービス
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