親子の円滑なコミュニケーションを考える電子絵本「春ちゃんのマシュマロタイム」
「親思う心に勝る親心」とはよく言ったもので、自分自身親を思う心は結構持ち合わせていると自負していたが、自らが子を持ち親となって初めて、その言葉を実感した。子どもと接するあらゆる場面で、この子はこうなるだろうとか、こういう子になるといいなぁと思いを巡らすことがある。親のエゴと言ってしまえばそれまでだが、それはやはり子を思う親の気持ちなのではないかと、自分が若かりし頃には想像もしていなかった想いが浮かぶのである。
子を思うからこそ出てしまう「自分の思う通りにしたい」という感情。無意識的に湧き上がるこの感情は些かタチが悪い。思わぬ言動、行動にカッとなったり、言うことをきかないからとつい怒鳴ってしまったり、本当は優しく接したいのに反射的にキツイ言葉を投げかけてしまうということがないだろうか?「あなたのためを思って言っている」というのは、本当に子どものためなのか?と自分自身疑問視することもある。
また、「言うこと聞かないならおやつ抜き」とか「あなたのために言ってるんでしょ」とか「〇〇に連れていくから部屋の片付けして」なんて言葉を発することはいないだろうか?そういった言葉は、実は親子の関係を壊しかねない危険なものなのだ。
「親業」は親子関係の潤滑の仕組みを学ぶもの
さて、みなさんは「親業」という言葉をご存知だろうか?
1962年、米国の臨床心理学者トマス・ゴードン博士が開発したプログラムで、P.E.T(Parent Effectiveness Training)というものがある。直訳すると「親としての役割を効果的にする訓練」。当初は非行少年などの治療が主目的だったが、ゴードン博士が問題児と言われる子どもたちの精神療法に当たる中で、「問題児が出るのは問題親がいるからである」ということに気づき、親にこそ治療が必要であり、子への適切な接し方を教えなければならないということで生まれたプログラムである。その後、親向けのコミュニケーション講座として広がっていった。日本では28年前に「親業」と翻訳して紹介され、1980年にプログラムを提供する親業訓練協会ができたそうだ。
親業の視点からいうと前出の子どもへの言葉は、「命令、脅迫、説教、提案、非難、同情、尋問…」といった親子関係を壊すコミュニケーションであるとされている。うっかり日常的に発してしまいがちな言葉だ。では、子どもとは一体どんなコミュニケーションをとればいいのか?
そのひとつの答えを提示しているのが、昨日2月19日にリリースされた電子絵本「春ちゃんのマシュマロタイム」だ。
小学2年生の春ちゃんという女の子は、毎朝欠かさずにやっている習慣があり、それはお母さんも知らないこと。そんな春ちゃんの習慣に気づいていないこと母親は、いつも春ちゃんを学校へと急き立ててしまう。そんなある朝、いつものようにお母さんに叱られた春ちゃんは、ついに本当の気持ちをお母さんに伝えるのだ。それを聞いたお母さんは、すごくビックリする。娘のことは何でも分かっていたはずなのに、、、と。毎朝のちょっとしたエピソードの中に、実は親子間のコミュニケーションのズレが生じている。それは親子間だけでなく、仕事における上司と部下、学校の先生と生徒、介護や看護をする側とされる側、様々な場面においても見られることだ。この電子絵本は、そんなあらゆる場面におけるコミュニケーションの方法を示唆した作品だ。
作者は、暮らしとコミュニケーション研究所代表であり、親業インストラクターとして約4,200人の受講者に「親業」を伝えている今井真理子さん。今井さんは、1993年から親業インストラクターとして活躍され、子育て中の親御さんはもちろんのこと、様々な業種の方々に親業をベースとしたコミュニケーションのメソッドを伝えてこられた。
親と子の関係から人間関係全般をサポート
評価や判断ではなく、子どもが言った言葉を繰り返し、言い換えて、伝えることで、子どもの気持ちに寄り添う。そうすることが、子ども自身が自分の気持ちを客観的に見つめるきっかけとなる。さらに、子どもの心の奥にある気持ちを汲みとることで、「自分の気持ちを分かってくれている」という安心感が生まれる。こういったコミュニケーションを重ねることで、子ども自身が自発的に答えを見出す力が育つ。忙しい日常でこういった対応をするのは、至難の業かもしれない。実際に僕もうまくいかないことが多い。しかし、繰り返し行うことで、少しずつ子どもの反応も変わってくる。
人の悩みの90%は人間関係とも言われる。面と向かっての関係のみならず、現代ではSNSによるオンラインでの関係も気にしなくてはならない。これだけ毎日SNSの情報が溢れている昨今、コミュニケーションに疲れている人も多いのではないだろうか?仕事や活動で、コミュニケーションがうまくいかないということはないだろうか?そんな時は、是非今井さんに相談してもらいたい。きっとあなたの言葉一つ一つを丁寧に聴いてくれると思う。そして、ぜひみなさん自身が電子絵本を購入し、親業のメソッドを講座で体得し、円滑なコミュニケーションをはかるために活用してもらいたい。
2019年2月19日 kindleにてリリース!
「春ちゃんのマシュマロタイム」ご購入はこちらから
https://www.amazon.co.jp/dp/B07NTG8KQV
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