本の電子化によって受け継がれる財産
料理好きな僕が読む本
我が家では、結婚以来家事を分担して行っている。分担と言っても7:3で僕の方が多くこなしているだろうか。特に何か問題を起こしたといかそういうことはない。単に僕は家事が好きなのだ。料理、洗濯、掃除、アイロンがけ、子どもの靴洗いなどなど、一通り出来るというレベルではなく、結構突き詰めてやっている。特に料理は、やっていると頭の中が整理されてスッキリして良い。もちろん美味しく出来れば、なお最高だ。
今朝のとあるTV番組で、街ゆく専業主婦の皆さんに、専業主婦であることに罪悪感を持っているか否かの質問を投げかけていた。すると、大半の特に20〜50歳代の人が罪悪感を感じると答えていた。何をもって罪悪感を感じるのだろう?どうも、自分が収入がないのに、友人とちょっと高価なランチに行った時や、自分の服飾品などを買い物をした時などに強く感じるそうだ。それぞれの家庭で基準があるとは思うが、専業主婦は24時間のうち睡眠時間以外はほぼ仕事で、365日休みはないに等しい。さらに小さな子どもでもいれば、睡眠時間も大幅に削られる。家族の健康と安寧の場所を守るため、日夜創意工夫している。それが専業主婦だと僕は思っている。というか、専業ではないが半専業的な僕がそう実感している。なので、収入がないことで罪悪感を感じるのはお門違いだと思う。家族に内緒でバカンスに出かけたり、散財したりという場合は別だが。専業主婦の人がいるからこそ、成り立っている社会もある。社会にとってはみな大切な存在だ。
レシピ本の奥にある文化と暮らしを見つめる
さて、専業主婦談義はこのくらいにして、先日とあるフランス菓子・フランス料理の研究家の方と面談の機会を頂いた。この方が出版した既刊本を電子化して、新たな読者層の拡大と、後世に残す取り組み、そしてデジタルコンテンツを使った「仕事につながるプロモーション設計」をしてみないかと提案したのだ。フランス菓子やフランス料理が好きな人や、関わっている人、さらにフランス好き、フランスかぶれの人は名前くらいは聞いたことがあるだろう人物だ。
料理が好きな僕だが、基本的にクックパッドは見ない。たまにレシピアプリを参考にすることもあるが、必ず見るのはプロが作ったレシピ本だ。書店で買えば2,000〜3,000円はする。どうせ作るならプロが作るレシピを参考にしたいと気持ちと、もう一つ、プロの皆さんは現地で修行した人、現地を何度も訪れた人など、その国々の料理だけでなく文化や生活習慣に関する知識を豊富に備えている。なぜここでこのスパイスを使うのか?なぜこの地方はこの素材を使った料理が多いのか?そんなレシピの奥にある、貴重な情報を読むのが好きなのだ。その人が現地で食し、感じ、経験したことを綴ったレシピに関する本は、間違いなく後世の料理人やその土地に興味を持つ人たちにとっての宝になるはずだ。だから、絶版です、はい終わりというわけにはいかない。
そんな話をさせてもらったところ、過去に出版して長きにわたって人気を博し重版を重ねてきた著者が、もうすぐ品切れとなるということで、強く共感して下さった。著者の方と話をさせてもらうと、皆さん口を揃えて「産みの苦しみ」や「吐くようにして書く」という、壮絶な執筆活動について語ってくれる。そう、執筆は本当に自分の子どもや分身を生み出すことなのだ。そんな風にして作り上げた作品を、絶版だからという理由で、ほとんど人目に触れないようなところに追いやってしまってはいけない。
これまで著書を出版してきた皆さん、もう絶版のない世界は出来あがっています。
大切な宝物をもう一度蘇らせてあげませんか?
既刊本を電子化してもう一度読者へ届けよう!
http://www.g-rexjapan.co.jp/omoikaneproject/computerization/
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