留学生から「世界」を学ぶ
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最終更新日:2018/10/16
架け橋ebookプロジェクト, 海外発信, 留学生, 相互理解, 電子書籍
世界を知るのに留学生との交流は最高だ
トルコの首都は「イスタンブール」ではなく「イスタンブル」だそうだ。
1978年にリリースされ、累計60万枚以上を売り上げた庄野真代さんの楽曲「飛んでイスタンブール」。この楽曲の影響で、当時日本でもイスタンブールが有名になっただろう。しかしそのおかげで、日本人にとってイスタンブルはイスタンブールとして定着した。本当にイスタンブルか?日本に来ているトルコ人留学生が言っていたのだから、間違いはないと思う。
実は世界の国々に対して、間違って認識していることや、勘違いしていることが多々ある。それと勝手にイメージしていることも。モンゴルと聞いて何を思い浮かべるだろう?草原、ゲル、馬、チンギス・ハン、それと白鵬と朝青龍といったところか。トルコはどうだろう?ケバブ、トルコ石、伸びるアイス?
先日、公益財団法人 目黒区国際交流協会(MIFA)が主催するイベントに参加してきた。『留学生から学ぶ「世界」』というそのイベントでは、日本在住の留学生5名が、日本人ボランティアのサポートを受けながら日本語で母国の紹介をするものだった。この日プレゼンしたのは、インド、コロンビア、モンゴル、トルコ、マレーシアからの留学生たちで、皆んな一所懸命日本語を話し、素晴らしいプレゼンを聴かせてくれた。そして座談会の際には、留学生一人一人を囲みながら、参加者が思い思いの質問を投げかけていく。それに対して留学生たちは丁寧に答えてくれていた。冒頭のイスタンブルの話や、モンゴルの固定されてしまったイメージの話は、彼ら留学生が教えてくれたことだ。
固定観念を捨て、積極的な相互理解を目指そう
話を聞いてみると、それぞれの母国について知らないことがかなりある。彼らの名前ひとつとっても、どちらがファミリーネームなのか、どういう読み方をするのか、どんな意味や想いが込められているのか、全然わからない。トルコというとケバブのイメージがあるため、肉を大量に食べると思われがちだが、実は野菜料理が豊富でとてもヘルシーなのだ。ニュースにもなった事件によって、怖い国という印象を受けている人もいるかもしれないが、実際のところ市民レベルで見れば温和でユニークな人々が多く、留学生曰く大阪とトルコは似ているという。
先日のイベントはたった2時間ほどのものだったが、それでも世界の国々の知られざる一面を垣間見ることが出来た。僕たちが今進めている「世界の架け橋ebookプロジェクト」は、まさにこの世界の国々の知られざる部分を知ることで、互いに理解を深めていこうとするものである。今回コロンビアの留学生が母国の偉人を紹介していたが、この偉人を通じてその国を知るというのは、とても意義のあることだと思う。日本でも歴史上たくさんの偉人たちがいる。その偉人たちが成し遂げて来たことを見れば、その国の歴史や文化的背景も見えてくる。勝手に思い込んでいた悪いイメージが実は自分の勘違いで、本当はとても親しみやすい国だったということもあるだろう。
プレゼンした5名のうち3名の留学生に声をかけさせてもらい、これから架け橋ebookづくりに力を貸してもらう予定だ。彼らには、これまで日本で知られていなかった母国の情報をたくさん紹介することで、日本そして世界との架け橋になってもらいたい。彼らの書いた本の中に、きっといくつもの新しい発見があるはずだ。是非、期待して頂きたい。
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