音楽で命と世界を繋ぐ
命の繋がりを唄うバンド
2018年7月。六本木のライブレストランで、あるバンドがアレンジの効いた耳馴染みのある楽曲を奏でていた。
バンドの名前は「ORINOVIVO」日本語の「織りの」からきている「ORINO」と、エスペラント語で「いのち」を意味する「VIVO」を組みわせて名付けられた。
バンドの編成は、ツインパーカッションに、尺八、ギター、ヴァイオリン、ヴォーカルを加えた6人。いずれも国内外で活躍する実力派ミュージシャンばかり。そして、その個性的なメンバーの中でリーダーを努めるのが緒方美穂さん。女優としての表現力も持ち合わせる、ヴォーカリストだ。全身を使って楽曲に込められた想いを表現する彼女のパフォーマンスは、聴く者を魅了する。我々が見えていない世界が眼前に広がっているのではないかと思うような視線、全神経が集中しているかのようにしなやかな動きをする指先、そして輝きを放つ笑顔、プロフェッショナルとはこういう人のことを言うんだなと納得する。
彼らが奏でるのは世界の民謡だ。世界各国に古くから伝わる民謡を、独自のアレンジでクールな楽曲に仕上げ、時折笑いのポイントも織り交ぜながら歌い上げる。なぜ世界の民謡なのか?「私たちが生まれる前から歌い継がれてきた民の歌(民謡)を、私たちが死んだ後も歌い継いでいきたい・・・」という希望を込めているそうだ。どこかで聞いたことがあるような曲、なんとなく知っている曲、世界の民謡はそんな曲が多かったりする。そんな曲に日本語の歌詞をつけて、さらに馴染みやすいものにして、後世まで歌い継いでいけるようにしているのだ。民謡にはその国や地域の文化、習慣、風俗、そして人々の暮らしや生き方など、重要な要素が含まれているものが多い。それを歌い継いでいくことは、ORINOVIVOのコンセプトである”いのちの繋がり”を守っていくことになるだろう。
ORINOVIVOの活動は、「皆、”いのちの繋がり”の中で生かされていて人も世界もひとつ(地球は大きな円=縁)であること。そしてその上で民族や歴史によって生まれる人々の違いを否定・差別するのではなく、認め合い、尊重し合い、むしろ”違うから面白い”と楽しみ合う」目的としているのだ。
世界の民謡で架け橋に
僕たちオモイカネブックスは現在、「世界の架け橋eブックプロジェクト」と称して、世界各国から日本に学びに来ている留学生や、留学生として日本で学び、その後そのまま日本で就職したり母国に戻って仕事をしている元留学生とともに、各国の偉人と国の魅力を紹介する本づくりを進めている。世界各国の著名な偉人が書籍で紹介されているが、それはほんの一部であり、僕たちが知らない偉人たちが世界各国にはまだまだたくさん居る。そんな知られざる偉人を掘り起こし、電子書籍を使って世界中で共有できる本をつくろうというプロジェクトだ。
「偉人(人)を通じてその国を知る」今まで知らなかった国に興味を持ち、その国の人や暮らしを知ることで、相互理解を深め尊重し合えるようになってほしい。そんな想いのもとに進めている。
僕たちは本(電子書籍)の力でそれを実現しようとしているのに対し、ORINOVIVOは音楽(民謡)で同じ想いの実現を目指している。ORINOVIVOの音楽は老若男女聞き手を選ばない。誰でも聞けるし口ずさむことができる。そんな音楽が、世代を超えて歌い継がれることで、国や言葉を超えたコミュニケーションの拡がりが期待できるだろう。
いずれORINOVIVOの音楽が学校で活用され、子どもたちが世界の民謡を歌いながら様々な国のことを理解し、平和の道を築いていくようになってほしいと、緒方さんは語っていた。その本は、是非僕たちオモイカネブックスが作りたいと思う。音楽と本で世界の架け橋づくりを実現していきたい。
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