世界のどこからでも世界中の本が読める仕組みを
SNSというのは、これまでなかなか会うことの出来なかった人との縁を繋いでくれますね。
facebook、twitter、Instagram、LINEといった定番のものから、写真で言えばPinterest、イラストならpixiv、動画ならPeriscope、チャットであればSnapchatなど、各カテゴリーにおいても様々なアプリが登場している。アーティストやアイドル、タレント等の配信が無料で視聴できるうえ、誰でもすぐに生配信が可能な双方向コミュニケーションの仮想ライブ空間を提供するSHOWROOMなどは、まさにライブ空間の様相。さらに、若い世代ではB612、SNOW、Mixchannelも人気とのこと。
僕は、SNSアプリの中でtwitter、facebook、Instagramをよく使っています。特にヘビーユーズなのがtwitter。どちらかというと、仕事関係の方が繋がっているのがfacebookで、趣味や関心事に特化しているのがInstagram、ちょうどその間にあるのがtwitterのイメージ。twitterは140文字の言葉と、写真一枚というアップのしやすさと、ハッシュタグで繋がりたいカテゴリーの人が見つけやすいというのがいいですね。
SNSによってリアルな声が聞ける
そんなtiwtterで繋がることが出来たのが、ワーキングホリデーをきっかけに、カナダナイアガラに住んで23年になる美容師の「ゆうこママ」さん。(https://twitter.com/yukomama711)
ヘアカットやヘアケアはもちろん、お悩みを聞くのも得意で、髪も心も軽くする美容師として素敵なサロンを運営しています。いつもナイアガラの滝や近隣の自然の写真、ご自身の家族やお友だちのこと、料理やお仕事に関する動画をツイートされています。
ナイアガラの滝の画像をきっかけにゆうこママの存在を知り、フォローさせてもらいました。当然一度もリアルでは会ったことはありませんし、SNS上で知り合ってまだ一年も経っていません。それでもツイートやリプライを通じて、様々な情報を頂いています。ナイアガラの滝の具体的な場所も初めて知りました(笑)
僕は電子書籍の出版や、既刊本の電子化の仕事をしているわけですが、いつもこの本もあの本も電子化したい、したいと呟いています。そんな僕の呟きに、ゆうこママが「私達の様に海外移住組には電子書籍がどんなに有り難い事か….岩瀬さんを始め、電子書籍化してくれる方々にほんと感謝してます」とコメントをくれました。
「そうなのか!!!」
海外在住の日本人の皆さんが、日本語の本が読めないよという話は何となく目にしていまいたが、そういう方から直接お話を聞く機会もなかったのでイマイチ実感できませんでしたが、こうしてまさにそのシチュエーションにある方の言葉を聞くと、実情がよく解ります。
世界のどこからでも世界中の本が読める仕組みを
電子書籍の登場により、海外でも日本語の本が読めるようになったというものの、その数はかなり限られています。海外からKindleを利用して購入する方法もありますが、Amazon.co.jpのコンテンツ利用は日本国内が原則ですもんね。Amazonのヘルプでも謳われています。
〜Amazonヘルプ&カスタマーサービスより〜
Amazon.co.jpで販売されているKindle本は、日本国内のお客様にのみ提供しております。コンテンツの購入には、居住国として日本国内の住所が登録されている必要があります。なお、居住国を日本に設定されている場合でも、お客様が日本国外にいらっしゃる場合は購入いただけません。海外旅行で一時的に日本を離れる場合を考慮し、数冊は海外からも購入いただける場合があります。しかしながら、その場合でも一定数を超えると海外からの購入はできなくなりますので、ご了承ください」
世界中の情報を簡単に取得することが可能になり、海外へ進出し活躍する日本人がますます増える中で、日本語の本が問題なく読めるインフラの構築が必要ですね。日本でもようやく紙と電子が同時出版されるようになってきましたが、既刊本については全体の数%程度しか電子化が進んでいません。電子化されてもあちこちのストアで仕様が違うため、ストアそれぞれのアプリをダウンロードして、電子書籍をインストールしなくてはいけないという面倒臭さがあります。
SNSアプリがこれだけ充実する昨今において、本、電子書籍を取り巻く環境ももう一歩進化を遂げる時が来ていると思います。世界のどこからでも、世界中の本が読める仕組みをづくりを考えていこう。
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