デジタルの力を「不」の解消に生かす
先日オモイカネブックスから『障がい者アート協会の未来を探して 〜コイントスから始まった起業奮戦記〜』を出版された、一般社団法人障がい者アート協会代表の熊本豊敏さん。障がい者アート協会では、障がいのあるアーティストの人たちの作品発表の場、活躍の環境を広げる活動をされています。「アートの輪」というネットワークには、現在110名のアーティストが所属しており、1,800点の作品が登録されています。現在作品の二次利用を積極的に進めており、ブックカバーや雑貨のほか、最近では建設現場の仮囲いにも採用されています。
そんな熊本さんが、先日FMラジオJ-WAVEの「STEP ONE」というプログラムに出演されました。
障がい者アート協会の活動から、作品の二次利用、企業のCSR、そして障がい者アートの魅力について語られています。短い時間ですが、障がい者アートのこれからの可能性を感じる内容でした。お聞き逃しの方は、radiko.jpのタイムフリーでもお聴きいただけるので是非!
radiko.jpタイムフリー 01:36:15から
http://radiko.jp/#!/ts/FMJ/20180221100000
電子書籍とDAISY
熊本さんのラジオを聴きながら、僕はマルチメディアDAISY図書について、いろいろとリサーチしていました。ご存知の人も多いかと思いますが、「DAISY」はDigital Accessible Information SYstemの略で、日本では「アクセシブルな情報システム」と訳されています。
「視覚障がいのある人や、普通の印刷物を読むことが困難な人々のために、デジタル録音図書の国際標準規格として、50カ国以上の会員団体で構成するデイジーコンソーシアム(本部スイス)により開発と維持が行なわれている情報システムのことです。
DAISYコンソーシアム公認のオーサリングツールを使ってデジタル図書を作ることができ、専用の機械やパソコンにソフトウェアをインストールして再生をすることができます。国内では、点字図書館や一部の公共図書館、ボランティアグループなどでDAISY録音図書が製作され、主な記録媒体であるCD-ROMによって貸し出されています。」(日本障害者リハビリテーション協会より)
DAISYは、国際標準規格(W3Cで提唱されているHTML、SMILなど)を基本にした規格を開発しており、この規格をもとにDAISYを製作、再生するのためのソフトウェアおよび再生機器も開発されています。
このところ、障がい者支援、障がい者福祉という分野において、様々なお話やご縁を頂くようになりました。自分自身が過去に介護福祉の会社におり、その際に障がい者支援に携わっていたので、なにか見えない力で引き合っているのかな?なんて思っています。
デジタルの力を「不」の解消に生かす
電子書籍は出版市場においてシェアが10%ほどで、需要が無いとか売れないとか言われていますが、今後さらに進むデジタル化時代の中にあって、確実に伸びていくものと思います。ただ、売れる売れないというのも大事ですが、電子書籍だから出来ることがあり、それが人々の「不」の部分を解消できると考えます。特に、前述したDAISYのように、障がいのある人はもちろん、高齢者のみなさんや、学びの環境を得ることが難しい国内外の子どもたち、そういった人たちの「不」の部分を電子書籍、デジタルが解決できると思うのです。
障がいのある人たちの活動の場や、報酬を得るための新しい仕組みづくりに取り組む熊本さん。僕たちは、電子書籍を活用することで、障がいのある人たちの新しい読書環境づくりと、さらに出版と関わる仕事ができる仕組みを生み出していきます。僕たちが出版する電子書籍やリリースするサービスに、アートの輪のアーティストたちの名前が載ることもそう遠くはないと確信しています。
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