出版不況というならば売り方変えればいいじゃない
いま世の中出版不況と言われていますね。
でもこれって実は今に始まったことではないんですよね。ピークだった1996年の売上2兆6564億円は、2013年には1兆6823億円まで落ち込み、実に17年間連続で減少していたわけで。さらに現在も減少しています。まあ今更出版不況ってのもおかしな話なんですね。
これも2013年のデータですが、書籍新刊点数は82,589と1960年からずっと右肩あがりを続けてきました。それに反して書店数は13,107店で前年と比較して214店、10年間で5,000弱の店舗が閉店しているそうです。どうりで街の本屋さんが消えていくわけだ。うちの地域にあった本屋さんも先日閉店しました。確かに客数は少なかったけど、結構マニアックな本が置いてあって、僕は好きだったんだけど…。まあそれはいいとして。
市場規模がどうかというと、これは2016年上半期のデータで、紙+電子出版の市場は0.3%減の8,548億円。電子出版市場は28.9%増の847億円。紙の市場は2.7%減の7,701億円(「出版月報2016年7月号 出版科学研究所」)となっています。単純に考えれば電子が台頭してきたから紙の本が売れなくなったと考えてしまいそうだけど、その前から市場は減少していますからね。
今後出版がどうなっていくのか?このまま落ち続けてまったく本が売れなくなるのか?
当たり前だけどそんなことはないと思うんです。どんなに本を読まない人が増えても紙の本がまったく売れなくなることはないし、ましては本というものがなくなるなんてことはないと思います。あ、電子はどんどん増えていくと思いますよ。出版業界の人と話をすると、出版業界ってかなり古い体質というか、保守的というか、変化しにくい業界だってことなんです。なんとなく分かるな。amazonが来た時も、kindleが発表された時も、打倒amazonで同じようなことやってましたからね。自分たちで変化してこなかったのに。このままいくと多くの出版社が淘汰されていくみたい。
そんな中、僕たちがなぜ出版的な仕事をしているか?それはチャンスだからです。誰にとってチャンスかって、それは著者にとってチャンスだと思っています。これまでは出版社もなるべく売れそうな本を出したいから、出版できず諦めてしまった人も、電子書籍なら出版ができるわけです。なおかつ、市場は国内だけじゃなく世界です。もちろんそこはamazonの力も必要ですが、僕たちも国内は、もちろん海外にも発信していきます。プロモーションだって、TVや新聞や書店じゃなく、ネットやSNSでできるんですよ。そっちの方がより興味のある人にピンポイントで訴求できる。これってすごいことですよね?著者候補の人にとってものすごくチャンスです。もちろん僕たちにとっても、未来のベストセラー作家を生み出すチャンスです。そんな人たちと一緒に可能性を追えるのはものすごく面白い仕事だと思います。
「電子書籍なんて売れないじゃん」って思っている書き手のみなさん、じゃあ紙の本はバカ売れしますか?出版不況ですよ(笑)
「売り方変えれば、売れるんじゃない?」そう考えた方がワクワクすると思うんだな。
今誰かに伝えたいこと、誰かを巻き込んでやりたい活動、そして誰かの気づきや勇気に役立つ面白い企画があったら、是非電子書籍にしてみましょうよ。もしかしたらその企画は、アフリカでものすごく売れるかもしれませんよ!
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