富士講を訪ねる

公開日: : 最終更新日:2023/12/01 未分類

img_9750

富士講を訪ねる

富士の山麓には、縄文遺跡や古来信仰の他にも

富士講という江戸時代中期から起こった富士山信仰があるのです。

私が住む地域でも、かつて盛んに行われていて

現在もまだ、続いているのです。

今回は、そんなルーツを学びに行きました。

この浅間の間の字ですが、月という文字が入っています。

話をきくと深い意味はなさそうですが、なにか不思議な感じがしますね。

img_9763

古来からのものがごろごろとあります。

鳥居をくぐると、正面には秦氏を祀った小さな祠があります。

これも神秘的でした。

また、縄文時代の遺跡も残っており、

そこが祭祀の場所か、普通に暮らしていたかは、わかっていないようですが、

石がきれいに敷かれたところでこちらの神社へ行かれるときは

おススメのポイントですね。

img_9780

紅葉もきれいな時期でした。

古来、富士山は火を司る神霊の宿る山として崇められてきた

「遥拝(ようはい)の山」でしたが、鎌倉時代には、山岳修験者や庶民の富士信仰が結びついて、

入山(登山)修行を行う「登拝の山」へと性格を変化させています。

やがて室町時代に入ると、富士信仰はさらに盛んになり、

江戸時代になると人々は「富士講」を結成し、組織的に富士山参詣を行うようになりました。
富士講の開祖といわれる長谷川角行は九州長崎の人で、

富士の人穴で千日間立ち行の末に悟りを開いたといわれ、

さらに数々の難行苦行を行い、庶民の信仰を一身に集めました。

そして富士山登山百数十回、断食300日などの苦行を成し遂げ、106歳のとき人穴で入寂したと伝えられています。

その後江戸中期になると、

開祖角行から数えて六代目の食行身禄や村上光清らが登場し、

富士講はいよいよ活性化しました。身禄の説くところは、財産や富貴は仮のもので、

永遠ではないという思想に貫かれ、その教えは厳しい修行によってのみ体得できるとしました。

この身禄の生き方と思想は最初こそ人々の反発を招きますが、しだいに庶民の共感を得、信者を増やしていきました。
そして身禄は、享保18年(1733)、富士山7合目の鳥帽子岩で断食入定、

即身仏となって自己の信仰を貫きました。以来富士講の信者は大いに増え、

江戸末期には「江戸八百八講」といわれるほどの講集団の盛況を見ました。

江戸町には”富士塚”と呼ばれる高さ数mのミニ富士山が多くつくられました。

これは入山が禁じられていた女性や、

長旅が困難な人たちも富士参詣が出来るようにとつくられたもので、

この小さな富士塚登山が江戸の町人の間で大流行したということです。

夏の開山期になると富士講の信者(道者)たちは、富士登山のために河口や吉田へやってきます。

この信者たちの世話や指導をしたのが「御師(おし)」と呼ばれる人たちです。

御師は富士山及び角行の説く信仰の指導者であり、又宿泊所の提供者であり、

富士講を広める普及者としての性格を持っていました。
彼らの実際の生活は、経営する宿坊での信者から

宿泊料や山役銭(通行料)、おはらい料、お礼、お布施などの収入によって維持されていました。

御師と信者は師弟関係にあり、一度縁を結ぶと、

信者は他の御師の宿坊に泊まることはありません。

御師にとっては、いかに大勢の信者を自分の勢力下に置くかが大切で、

シーズンオフになると江戸を中心に「講社まわり」に精を出したということです。
隆盛を見た富士講とそれにかかわる御師は、

文明開化以後の新しい社会の風潮に乗り遅れ、

徐々に衰退の一途をたどりました。かつての御師の家は、

今は民宿などに生まれ変わり、

その家のたたずまいや富士講の歴史を物語る資料や調度品などが、往時の面影を見せています。

 

富士浅間北口本宮

とても立派です。

実は、この地は元々諏訪神社だったそうです。

言い伝えによると、

諏訪大社の御祭神のたけのみなかたを

この地の方が迎え入れたそうです。

富士の火祭りは、夜に迎えにいったので、

その名残とつたわっているそうです。

諏訪神社であったにも関わらす、

富士浅間神社となっているのは、

やはり富士講の影響が大きく、

そのために、もともとの諏訪神社ではなく

富士浅間大社になっていったそうです。

こちらの敷地内に諏訪神社があります。

そして、富士浅間大社ですが、

諏訪の御柱信仰を残していて、

社殿の四隅には、

大きな御柱が聳え立っています。

今回はいろいろなところを参りましたが、

とてもよかったです。

そして、富士講とはそもそも

何で広がったか。

 

それは、世直し運動だった。

ということもわかりました。

当時の体制では、表立って政治に文句をいうのは難しい。

しかし、経済や体制の疲弊に苦しみ、

昔からある富士山信仰に活路を見出していたということも

わかりました。

神にもすがるというつらい状況が立ったと思います。

その足跡もみることができました。

富士講も盛り上がり、しばらくすると、

飢饉やインフレもおこり益々社会的に厳しくなります。

そうこうしていると明治維新がおきるわけですが、

そもそも、いきなり明治維新ということでなく、

しばらくの間、民が厳しい暮らしをしていたこともあり、

世の移り変わりを支持していたのかも知れませんね。

古来を訪ねて今を見る。

ときに大切と思いました。

img_9774

The following two tabs change content below.
石川博信

石川博信

2009年ジーレックスジャパン株式会社創業。 日本の文化や歴史好き。小学校時代は通信簿で「オール1」の落ちこぼれ。日本にある素晴らしいものごとを国内外に広めていきたい。 それが私たちの想いです。長い歴史と四季のある気候に育まれた日本文化は、国内では衰退しつつある一方で、海外では日本の食文化、武道、芸道からコミック・アニメまでその愛好者は増加しています。 国内においては、日本の持つ素晴らしいものごとを見直し、海外においては、様々な商品にある歴史、ストーリー、想いを伝えていく。 日本のものごとが国内外へ広がり、その中で日本の文化や精神性に触れる機会を多く創出し、日本の素晴らしさを知って頂く事が、日本そして人類にとってもより良い社会へ繋がると考えております。
・会社のホームページはこちら
・本を使ってビジネスを拡げたい・世界へ発信したい方はこちら
・本を出版したい、相談したい方はこちら
・今ある本やカタログの電子書籍化をしたい方はこちら
・フェイスブックはこちらから
・ツイッターはこちらから
・一社コミュニティービルダーはこちら

セミナー・研修情報 
*コロナ化の為一部個別相談としているセミナーも御座います。

時流を捉え、原点を見直し、未来を創る 進化道場バナー600
出版物を電子書籍化・再版で販売してみませんか? 電子化

●石川博信への執筆・講演・セミナーのご依頼はこちらから

●まだSNSで繋がっていない方はこちらから繋がれます

友達申請の際は一言「ブログを見ました」など頂けると嬉しいです。
よろしくお願いいたします。

関連記事

img_0343

獅子舞の起源 戸隠神社思兼命

2019/01/07 |

元旦の獅子舞 毎年恒例です 元旦の獅子舞を僕の地元では行っていますが 皆さんの地...

記事を読む

unnamed

聴くを意識すると仕事幅も変わる

2017/01/26 |

耳だけでないきき方もある きくって言うのは日本では沢山あります。 人の話を聞くというのは...

記事を読む

OSK200806060041

稲盛和夫氏の言葉 情熱と意志

2017/04/26 |

京セラ創業者にしてJALの再建でも手腕を振るった稲盛和夫氏 示唆に富む言葉には学ぶべきことも多...

記事を読む

katukai

変わっているといわれても自分軸を貫こう

2016/12/23 |

明治維新で幕府側代表として活躍した勝海舟 「人の人気も10年で変わる。信念があってやれば気にも...

記事を読む

JUバナー

  • コラムライター 募集
  • 人財力チーム力向上セミナー
  • 歴史観研究会
  • 日本と世界の架け橋EBOOKプロジェクツ
  • オモイカネプロジェクツ 本の力で経世済民
  • 出版の相談・本の販促
  • Japanese Style: Exquisite Problem Solving Wisdom
  • 著書:日本の偉人の仕事術(日・英併記)
  • LE SOLEIL SE LEVE A L’EST DE L’OBSCURITE A LA LUMIERE: COMPETENCES ET TALENTS DES PERSONNALITES QUI ONT FAIT LE JAPON (French Edition)
  • Para hacer negocios
Los Secretos del Éxito de los Grandes Japoneses
Conocer el parte de las hazañas: ¿Si usted fuera ellos, que haría? (Spanish Edition)
  • THE REAL RICH LIFE: Unlock the Secrets of Relationships
  • 子供たちに伝えておきたい日本のこと
  • 改訂版 とっておきの見込み客発掘法 アマゾンで発売中
  • 山元ビジネス塾 ビジネス発展で自分も日本も元気に
  • 障害者アートプロジェクツ
PAGE TOP ↑