オモイカネ 思兼命 思金神は知恵の神様 三度の困難をどう乗り越えたのか
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オモイカネ 思兼命 思金神とも書く日本の知恵の神様です。
天の岩戸開き 国譲り 天孫降臨という三つの困難を伴う
事業をやり遂げた。
(ここではオモイカネで統一します)オモイカネは日本の多くの神様
がいる中では異色の神様です。
八百万の神様がいるなかで自然の神様が多い中で知恵や思慮という
神様です。
オモイカネは先に記したように、当て字でしょうが
色々な書き方があります。
この他にも
阿智彦(あちひこ)や信之阿智祝(しなのあちほおり)という名前もあります。
その他にも、思兼命 思金神の前に、常世がつく場合もあります。
これは、常世とは海の向こうの国とか、死者の世界とか
考えられて、その国から来た神様とも考えることがあるそうです。
それにしても、多くの名前があります。
ちなみにご利益としては
学業成就や技術向上、出世海運、商売繁盛、家内安全、開運、職人守護というものがあり
少し変わったところでは、気象も司るということで良い天気に恵まれるという
ご利益もあるそうです。
写真は市原市にある戸隠神社 オモイカネを祀っています。
東京にある気象神社は全国でも珍しい気象をつかさどる神社ですが
ここにもオモイカネは祀られています。
オモイカネは、3つの困難を乗り越えた知恵の神様でもありますが、
その他も、古代文字を作ったり、大工さんが寸法を測る
差金、曲尺を考案したとも言われています。
今でも、建前の最初に行われる手斧始め(ちょうなはじめ)の祭事では
オモイカネを祀っています。
さて三つの難題をどうやってオモイカネが乗り越えていったのか?
一番目は、天の岩戸開きです。
日本神話の中で、様々な場面で天照大御神を助けます。
その最初の場面になります。
この事件は、簡単に言うと、天の世界を司っていた天照大御神の弟、スサノオが
死人を出したり、馬の皮をはいだものを投げつけたり、脱糞をして拝殿を汚したり
様々な出来事を起こし、その責任を感じてしまい岩戸に篭もってしまうという事件です。
天照大御神が岩戸に篭もってしまったので、世界は真っ暗になり
災害や悪霊が出てくる事件も起きてきます。
そこで、八百万の神様が,天の安河原にあつまり、どうやって天照大御神を
岩戸から引き出そうか?と思案を練ります。
この時のまとめ役(議長のような存在)をオモイカネが行い
そして妙案を出します。
それは、頑丈な岩を表から力ずくで開けるのではなく
天照大御神のほうから出てもらうように仕向けること。
そして祭りをしようということだったのです。
でした。
現代の仕事で例えれば
中々、商談してくれない方に
向こうから商談したいと頼まれるような
仕組みを創ろう。ということでしょうか。
さてオモイカネは
準備に取り掛かります。
早く天照大御神に出てもらわないとこの世は暗闇になってしまう。
最初に行ったことは
常世の長鳴鳥を沢山あつめ泣かせること
(この解釈は複数ありますが、外国来た方が騒ぎ始める、歌を歌うなどし始める)
八咫鏡をつくる
勾玉をつくる
この作戦について、天の香具山の雄鹿の骨とさくらんぼの木の枝を焼いて占いをしてもらう。
(実際に、吉とでて八百万の神々に確信を持たせる)
占いででた、榊(さかき)という木に、八勾玉と八咫鏡をつけ、ミテグラという御幣のようなものを
つけ装飾しました。
更に、タジカラオに岩戸の前で準備をしてもらい、岩戸が内側から開いてきたら
岩戸を一気にあけて、岩を遠くに投げ飛ばして二度と篭もらないようにする準備を伝えます。
そして、アメノウズメ(女性で猿田彦の奥様で芸能の神様)に踊ってもらうように伝えます。
さて祭りの開始です。
最初にオメノコヤネが祝詞を奏上し、フトダマは榊を装飾した鏡を持っています。
そして、沢山の長鳴鳥が鳴き、歌い朝が来た!新しい太陽神が現れた!と
天照大御神に自分以外の新しい太陽の神様がいるのか?と興味をもらせて
自分から岩戸を開いてもらうことが目的です。
更に、それを祝うかのように飲めや踊れやの大騒ぎをします。
やがて宴もピークになってくると、アメノウズメは素っ裸になって
神がかりにあい、踊り、場を一層盛り上げます。
ついに、自分以外に太陽神がきたのか気になり
岩戸を少しあけて外の様子をみようとします。
そして、踊っているアメノウヅメに
「私がいないのに何故こんなに盛り上がっているのか?」と聞くと
「あなたよりも尊き神様が出てきたので皆で祝っているのです。」
と解答すると、天照大御神は、もっと関心をもって岩戸を開けて
その神様を見ようとします。
その時、少し開いた岩戸をタジカラオが大きくあけ、天照大御神の手を引っ張り
岩戸から出すことに成功します。
それと同時に、フトダマが鏡で天照大御神の姿を映し出します。
そうすると光が世にもどり、無事に世界が明るくなったという出来事です。
天の岩戸開きの様子
オモイカネの肖像
岩戸ですが、タジカラオが岩を投げて届いたのは何と長野県。
宮崎から長野県まで岩をなげたというのですから
凄い怪力の持ち主です。
そのご岩戸の場所には結界が貼られて二度と入ることがないように
配慮されています。
二度目の困難は国譲りの話です。
地上の国(日本)の国はオオクニヌシなどによって発展して
いましたが、天上の神々からすると少し野蛮でもっと良い
統治をしないとならないと考えました。
そこで、天上の神々は天照大御神の子供である
アメノオシオオミという神様に地上の国に行くように
伝えるものの、いくことを拒みます。
そこでアメノホヒという神様に、国譲りの交渉に行ってもらいました。
しかし、既に老練なオオクニヌシに懐柔されてしまい、交渉は失敗します。
つづけてアメノワカヒコという神様に交渉を託しますが、これも失敗します。
しかも彼は、オオクニヌシの娘と結婚までしてしまい最後には天上の神様に殺されてしまいます。
そこで、オモイカネは武の神様である、タケノミカズチを送り国譲りを成功させます。
因みにタケノミカヅチは鹿島神宮に祀られている神様です。
知恵の神様である、オモイカネでさえも人選には苦労したようです。
しかし、最後には成功させています。
三度目の困難
いよいよ天上の神が地上に下りることになりました。
天孫降臨と言われる、天照大御神の孫であるニニギの命が
いくことになりましたが、その側近として追従したのです。
天上の世界から地上に下りる際への選定もされたと言われています。
そして、天上の世界から地上に下りるときに、いくつもの分かれ道が
あり、どのようにいけば良いか迷ってしまうことがありました。
そこに現れたのがサルタヒコノオオカミです。
天上と地上の分かれ道である、八街でニニギ一行を待っていたのです。
そこから地上への道案内をサルタヒコオオカミにしてもらい
無事、日向(今の宮崎県)にたどりつくことができました。
オモイカネは地上におり政治(まつりごと)を司り
さらに、信濃の国におりそこでは阿智彦(あちひこ)という
名前で祀られます。
阿智の阿は最初と云う意味と、阿智の智は、知恵のことで
つまり、元々の知恵という意味が有るそうです。
岡山県の阿智神社もオモイカネを祭っています。
いかがでしたでしょうか。
日本の知恵の神様オモイカネ。
一度の困難だけでなく、三度も見事に対応しています。
古事記というのは、昔の歴史と言う面もあり
ますが、置き換えにも出来るのです。
岩戸開きから、国譲り、天孫降臨と
自分に置き換えて見たとしたら
何か解決策がでてくるかもしれませんね。
石川博信
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