中村天風 日本人の使命 天からの課題へどう向きあうか
公開日:
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最終更新日:2023/04/12
偉人伝 ものの見方
中村天風 日本人の使命
今、混沌とした社会になっていますね。
しかし、いつの時代も流動的に動いているもので
その動きが加速しているかのような状況です。
明治から大正、昭和期にかけて活躍した哲人、中村天風。
中村天風は、
「日本人の素晴らしさは海外に行くと
とてもよくわかる。日本の持つ歴史、そして特異な民族性を
観ると、日本には世界の範たる者としての
役割を感じる」
更に、人類については
「万物の霊長たるを観れば、地上の役割は非常に大きい。
宇宙、地球そして社会の生成発展の為に
頂いている生命力を生かすことが
何よりも肝要であり、
それにはまず信念を強くしなければならない」
と、説いたそうです。
天からの課題。
経営者であれば、向き合ったことがあると思います。
究極的に、社長の仕事は
自分の人間性を高め、器量を大きくし
自分より優れた後継者を育て託すこと。
自分よりも、器量に優れていてこそ
企業は継続成長していきます。
不易流行
不易=変えてはいけないこと。
流行=思い切って変えること。
企業が衰退に向かうときには、
逆のことが行なわれるといわれます。
「変えてはいけないものを変えて
変えないといけないものを変えない
(課題の先送り)」
課題=天からの課題は、カンタンでなく
直ぐ手をつけなくても良いものがあります。
後継者育成、人材育成などは
その最たるものでしょう。
しかし、ここに力をいれておかないと
あとあと、躓いてしまうことが目に見えています。
天からの課題は、
仕事だけなく、人生も降りかかります。
皆さんの天からの課題と思えるものは何ですか。
思い切って解決に向かい進んでみませんか。
中村天風の哲学の始まり
青年期は暴れん坊であやまって人を殺してしまうこともあった。
そんなことから、頭山満に預けられて日露戦争の時には軍事探偵として活躍。
その後、当時不治の病とされた「結核」をわずらい日本では治療が出来ないと
いうこともありアメリカやイギリスにいき、治療を求めるが結局治らず
失意の中帰路につく途中で、インドの聖人カリアッパ師に船上で出会う。
そのまま導かれるように、インドでの修行を行う大悟に至る。
修行の中で、わずらっていた結核も治る。そこから日本への帰路の途中に
頭山からの命をうけ、孫文の辛亥革命に加わり中国の最高政務顧問となり、
その後帰国。実業を始めた。
銀行など複数の会社を経営したものの、突然実業の一切をやめて真理の辻説法を
1人で始める。
事業家としても当時成功をしており、国内に別荘だけでも5つほどあったという。
中村天風は幾つかの書物も残しており
示唆にとむ真理の話には、門下生もおおく、
皇族から政財界、軍人ら多くの人が学んだ哲学を産み出した。
中村天風の心身統一法という。
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幾つかの言葉の中で一つ紹介したいと思います。
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ひたすらに
人の世のため活きなんと
思う命に 光あるかな
まず何をおいても、
人生に対する尊厳な義務から実行しよう。
幸福という権利は、
自己統御を完全にするという
正しい義務の実行者にのみ恵まれる。
否、こうして初めて
正当な民主主義の確立ができ、
世界平和に協調し得る真日本を
建設することができる人となり得ると確信する。
否、時代はまさに、
そうした正念の自覚をもつ人を
切烈に要求している。
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一所懸命に社会のためになると思い事業を行う。
それは光を放つものだ。。
そして、正しい義務を果たすとあるが、これは
人の道を外さない、人としてのあり方。
これをしっかり実践するということだ。
これを日本人がそれぞれの立場でしっかり実行することで
真の世界平和を構築できる日本人が生まれる。
時代は、そういう日本を、日本人を切烈に要求している。
様々な書物の中でも、講演の記録でも
このような話はあまりなく珍しい内容です。
真人に目覚めよ、ということは事あることに出てきますが、
日本人の使命ということに踏み込んでいる貴重な話かと思います。
人の世の為・・・というのは、今で言えば「志」に生きる。
人生の尊厳・・・真理に沿って生きる。宇宙の生成発展に沿うあり方。
信念をしっかりもつ。良い言葉を使う。相手に優しくする、など
日本人の使命、世界を協調する「和」の社会構築をする使命を日本人は持っている。
その自覚を持とう。
そういうことです。
1人1人では小さな力かも知れません。
しかし、1人1人がそういう信念、行動、をとれば実現するというものです。
信念の力を上げる、ということは天風哲学の中でも基本的なことで、
体を使った方法や、座学、心を整える方法、これらを合わせて
心身統一法
と呼んでいます。
今でも全国にサークルがあり学んでいる方は数万人いるという。
先日、天風会館に行く機会もあり
幹部の方にお話をうかがったところ、一時期おとづれる人も少なくなったが
最近また、増えてきているという。
多いのは、経営者や政治家でやはり指導的役割を持っている方が多いそうですが、
女性や学生の姿も目立つようになったという。
天風がといているのは、あるべき姿、あり方であり
時代が今、中村天風の哲学を求めているのかと思う。
私は、真理に達した人の話は、根本的には同じようなことが多いと感じていますが、
いかがでしょうか?
石川博信
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