小林一三 阪急グループ創始者

公開日: : 最終更新日:2022/05/27 偉人伝 ものの見方

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小林一三 阪急創始者 そのアイデアで今太閤とも呼ばれた

小林一三(1873-1957)

阪急グループ創始者として知られるが、稀代のアイデアマンであった。

鉄道事業を皮切りに、宅地開発、演劇(宝塚歌劇団)や百貨店事業も行い

鉄道事業のモデルケースを作った。政界でも活躍し、商工大臣や国務大臣

更に、戦災復興院総裁を歴任した。

小林一三は劣等性から大実業家になった成功者といえる人物で、次々に

新しい事業を興し、かつ組み合わせることで成功していった。現代でも学ぶことが多い。

小林一三は昭和6年、山梨県生まれで、文学者になりたかったというが、新聞に小説を連載

していたくらいだからこちらも才能が結構有ったのだと思う。そんなことから最初は文学が

生かせる新聞社への入社を目指すものの結局入れずに三井銀行へ入ることになった。

三井銀行へ入ったものの、サラリーマン生活は中々うまくいかず、左遷も経験している。

34歳のときに三井銀行を退職してからは、大阪財界の実力者であった岩下清周の誘いを

あり、株式仲介店(証券会社)の支配人になろうとしたが、株式市場の暴落もあり

この計画は頓挫してしまう。しばらく失業の中に身をおくことになった。

その後、岩下から箕面有馬鉄道創立の話が持ち込まれて結局彼が引き受けることになる。

会社が設立されたものの、直後に起こった恐慌もあり株式の引き受けに株主と見込んで

いた方々が出資を渋り半分の資金も集まらない自体が続いていった。

しかもこ事業の先見性を見抜いていた一三は北浜銀行頭取であった岩下青周をといて

北浜銀行に株式を引き受けさせることで会社がスタートをきることになった。

最初は専務からスタートした小林一三であったが、資金難はなんとか工面できたものの

工事請負の業者選定でも中々まとまらないという状況であったが、

1910年3月10日に梅田~宝塚間、続いて石橋駅~箕面間が開通した。

乗客をどう確保するか?

小林一三らしさといわれるアイデアはここから発揮される。

当時沿線は原野が広がっており尋常な手段では乗客は確保できないと

言われていたが、開業するもすぐに営業収入は見込みの倍になっていった。

まず、小林一三は線路予定地沿線に市街地建設計画をつくり

沿線の土地を買収していった。

鉄道戦線を宅地造成をしてサラリーマンでも住宅が買えるようにと

当時はまだ珍しかった月賦販売という方法をとってサラリーマンを対象に

して大成功を納めた。因みに最初に行った宅地造成は今の池田市である。

宅地造成を行い販売の利益で建設費をひねり出し、そして又沿線に人が

住む様になれば、乗客も増加していく。まさに一石二鳥の考えだった。

乗客が増えれば、広告も受託できるということで

電車内の中吊り広告を行ったものもこの頃だ。

箕面には動物園を開設して休日の乗車率を上げようとしたがこれは失敗し

これ以降、マーケティングには徹底して分析してから行うようになる。

宝塚に温泉が出ることをしった彼は、宝塚温泉郷を開き、それだけでは

人は集まらないということで、そこ考えたのは、宝塚歌劇団である。

文学好きということもあり、自ら脚本を書いたりすることもあったという。

このような事業を成功を納める中で小林は専務から社長になり、

沿線の神戸方面への延長をする際に

「阪神急行電鉄」(阪急)と社名を変更していった。

更に、日本で初めてターミナルデパートを作った。阪急デパートである。

当時はデパートは都心というイメージがあったが、これを梅田駅の隣りにつくり

5階建てのデパートをつくり更に乗客の利便性と共に、乗客数の増加にも

繋げていった。世界的に見ても鉄道会社が百貨店を運営するというのは何処になかったが

小林は「素人だから玄人では気付かない商機が必ずある」

その後も日本の電鉄運営ではこのやり方が範とされて、東急や西武鉄道にも生かされて

各地に広がっていった。

更に、駅近には日本ではじめてのビジネスホテル「第一ホテル」の企画もしている。

もっともこれは味の素社長からの相談で進めたことであったが。

敷地一杯にビルを立ててシングルルームを増やし、余計な設備を入れないで

客室を増やすほうが効率的だし、朝は混むが夜は外出することが多いということで

食堂も夜は一般客にも利用できるようにするなどアイデアを出した。

更に、今までの日本にはないサービスなので料金設定は東京~大阪間の

寝台電車(当時はまだ新幹線はない)にするれば良い、そして新しい

サービスゆえに社員も未経験者をすればより良いアイデアが生まれるだろうと

して採用に関してもアドバイスをしていった。

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実は高校野球の最初に企画したのも小林一三だった

朝日新聞とタイアップして豊中グランドで第一回目を開いたがその後、甲子園を創った

阪神電鉄に取られたしまったが、アイデアは斬新であった。

戦後になり、百館主義ということを唱えて映画事業にも力を入れるようになった。そこでも

小林一三のアイデアは発揮される。ターミナル駅などではなく郊外にその地を求めたのである。

郊外の映画館では全国の池を買い漁っていった。

池は地主がもてあましている土地に目をつけたのである。

ただの様な値段で全国の土地を買っていった。その池をどうしたかというと

小林は映画館をつくる際に、地上と地下とつくり片方が洋画、片方が邦画と

いうように分けて創り地下を掘れば残土が出る、その残土を利用して

池を埋め立ててそこに宅地造成をした。一石二鳥のアイデアである。

後年小林一三は、

「本当の優れた事業は一つ創ったら二つの事業が出来ている」

と語っている。

直観も大事だが、そこにマーケティング方法を入れてよく冷静に見ると

事業が成り立つかどうか、わかってくるとして

初期の事業失敗から学び、アイデアを出し続けた。

最後に小林一三の名言を幾つか紹介したいと思う。

「下足番を命じられたら日本一の下足番になってみろ、そうすれば

誰もあなたをほっておかない」

「お金がないからできないという人は例えお金があっても何もできない」

「志を高持ちながら日々の事をしっかりやる。これが最も成功への近道である」

偉人の先見性、小林一三でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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石川博信

石川博信

2009年ジーレックスジャパン株式会社創業。 日本の文化や歴史好き。小学校時代は通信簿で「オール1」の落ちこぼれ。日本にある素晴らしいものごとを国内外に広めていきたい。 それが私たちの想いです。長い歴史と四季のある気候に育まれた日本文化は、国内では衰退しつつある一方で、海外では日本の食文化、武道、芸道からコミック・アニメまでその愛好者は増加しています。 国内においては、日本の持つ素晴らしいものごとを見直し、海外においては、様々な商品にある歴史、ストーリー、想いを伝えていく。 日本のものごとが国内外へ広がり、その中で日本の文化や精神性に触れる機会を多く創出し、日本の素晴らしさを知って頂く事が、日本そして人類にとってもより良い社会へ繋がると考えております。
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