松下幸之助の経営哲学が何故今見直されているのか?
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偉人伝 ものの見方
松下幸之助の経営哲学が何故今見直されているのか
明治や昭和と言う時代は
多くの名経営者が輩出された時代とも
いえます。
平成で考えると名経営者といえる方は
もちろんいるでしょうけど
世界的企業まで育て上げてという
ことを考えると
思い当たりません。
やはり激動期、大変革期に
偉人は現れるといいますが
そのとうりかもしれませんね。
松下幸之助はまさしく
日本の名経営者の中でも
屈指の名経営者といえるでしょう。
その考えに薫陶を受けた方は多くいます。
多くの経営者のバイブルと言われた松下幸之助の実践経営哲学
およそ経営の場面であうことの回答やヒントとなることが
ほとんど出ているといわれている名著です。
松下幸之助は
少年時代から丁稚奉公から始まり
若くして独立していきます。
家族経営で自転車のソケットなど
を自宅兼作業所で作っていったことが
始まりです。
色々苦労の末に少しづつ売れていった
また町の長屋で製造していたころ
どこか想うことがあったのでしょう。
経営とはなにか
宇宙の真理とはなにか
人間とはなにか
という
真理を求めて
中村天風の元を訪ね
そこで真理について
学びます。
そこで得たものは
生涯に渡って大きな影響を受けたものだったのでしょう。
町工場から脱皮するには
経営が上手く廻るには
など凡そ経営者であれば
当る課題についての回答が
天風からえらることになります。
その一つが
どのような事業であっても
宇宙の真理である社会の生成発展に寄与するもので
あれば必ず発展するのが宇宙真理。
どのようなものでも
生成発展させているのが宇宙の根源的な力
そこに沿っていれば成功以外にない。
逆にその生成発展に寄与していないと
中々成功はしない。
という教えであった。
大勢の聴衆の中で
非常に響くものがあったのでしょう。
松下幸之助は
そこから経営理念や志という
会社は社会の公器であるといい
事業へ邁進していった。
その中で有名なエピソードがある。
天風哲学では、
信念というものが全ての源泉として
どれだけ強いしっかりした信念を
もてるかということを
大切にしていた。
松下幸之助は
まず、新規事業の際にも経営の判断についても
宇宙の真理に沿っているか?ということを
自問自答していたという。
そして宇宙を生成発展させている力を
根源様と名づけ
そこで自問自答していたという。
根源の社で祈る 松下幸之助
これほどまでに真剣に事業に向き合う
姿を見ていれば社員も奮い立っていったことでしょう。
中村天風から真理を学んだ松下幸之助は
事業計画でもそれを活かしました。
経営理念が如何に大切か?
経営理念から導き出した経営計画で中期経営計画があります。
昭和31年の話ですが、
松下幸之助は中期経営計画を発表しています。
松下電器中期5ヵ年計画(昭和31年)
目標
売上げ220億 ⇒ 800億
従業員11000人 ⇒ 18000人
資本金30億 ⇒ 100億
とし
「この計画は必ず実現できる。
国民にも人類にも必要なもので
あり要望でもあるからだ。
国民や人類の生成発展の為に尽くす
のでこれは国民、人類との見えざる
契約なのである」と語りました。
結果は
結果
売上げ220億 ⇒ 1054億
従業員11000人 ⇒ 28000人
資本金30億 ⇒ 150億
となりました。
事業発展には「元定まって末収まる」
あくまでも元である理念がありその理念に従って
事業をすれば必ず発展すると語っています。
いかがでしょうか?
経営の神様と言われる松下幸之助が
如何に経営理念が大切であり
そこから事業は始るとさえいっています。
そして理念というのは
普遍的に宇宙の生成発展に沿うもの
つまり、社会の発展に寄与するもので
なければならない。
理念は事業の元であり、ここが
しっかりしていることが大切であり
理念実現のために事業がある。
社員は理念実現の為の仲間なのである。
昔の商家には
家訓というものがありました。
有名なグンゼという会社は
郡是からきています。
国にも国是というものがあります。
人には志というものがある。
これら全て人が人たるゆえんであり
背骨のように人を支えていますが
これが弱くなったりなかったら
どのような組織や人になってしまうでしょうか。
きっと軟体動物のようなものに
なってしまうでしょう。
理念は実現する。
それが宇宙の生成発展に沿い
強い信念をもてばということが
天風哲学であり
実践者としての松下幸之助の姿でもある。
日本の哲学は
奥深いですね
石川博信
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