経営の羅針盤 建築業界2020年時流予測から今を見る
2020年の建築業界は大きく変化していきそうですね。
色々な動きがありそうな中で
一つのキーワードとして考えられるのは
事業統合 事業再構築
ということがあげられるのではないか?と考えます。
まず、2020年の住宅業界で筆頭にきそうなものは
ZEHの義務化
中古住宅の安心R住宅の普及
この二つでしょう。
これは、新築住宅が設備だけでなく、人手不足も
重なり新築住宅が手に入りづらい高単価になること
が予測されています。
それでも、住宅産業自体は非常に大きく国の
基幹産業の一つでもあるために、
全体の地盤沈下は避けなければならない。
折りしも、人口減少による空室問題もあり
それが中古住宅市場の活性という
流れにも繋がっていきます。
中古住宅市場でも、2017年に成立した
安心R住宅という、ある意味国のお墨付きの住宅
で安心できる中古住宅を推進しようとしており
この安心R住宅への登録組織が非常に増えています。
消費者にも安心R住宅を進めることで
新築市場に変わる市場として中古住宅市場の
拡大を国は考えています。そして
実際に現在段々と中古住宅市場は大きく育っています。
中古住宅流通とリフォーム市場の拡大
*福岡では現時点で35%が中古住宅流通
2030年までに中古住宅市場が住宅市場の半分に
実際にそうなった場合には
消費者が新築住宅でなく中古住宅を探そうとして
現在のように、工務店さんへ問合せをするか
どうかというと非常にすくなくなることが予測されています。
現在も中古住宅の売買も不動産業者での取引が
圧倒的に多いことから、
不動産業界と住宅業界と融合が加速的に進んで
くると考えられます。
これは、住宅基本法成立の際にも話題になりましたが
まだ、現状の中古住宅市場の動きではさほど
影響も出ていませんが、今後は不動産情報を
持っていない住宅会社は苦戦が予測されています。
新築市場は現在の半分まで減少
現状の半分というのは大変厳しい数字であり、
より競争の激化も予測されます。
自社ごとの特徴やこだわりなどもよりわかりやすく
消費者に伝えることができないと
問合せさえも全くこない、という状況になっても
不思議ではありません。
業界全体29歳以下10% 55歳以上40%
これは2018年、今現在の数字ですが、
2020年になればより一層、若手はほとんどいない業界で高齢化が
目立つことになるでしょう。
社員も職人さんもすぐには育ちません。
現在でも人手不足の業界でもあるので、育てるということだけでなく
採用がきちんとできるかどうか?
その為には、今の新卒、中途であっても何をシゴトに求めているか?
これをしっかり捉えないと人材確保も大変厳しい状況になります。
働き方革命ということが、先の国会でも成立しましたが
本来は働き甲斐革命ではないかと考えます。
今の就職希望者は、待遇もさることながら
「働き甲斐」を求めています。
その声に応えるためには何が必要か?
これは企業の社会的存在価値
この仕事を通じで何を社会に提供しているのか?
その中で自分が何をするのか?
つまり、理念型経営、感動経営というものが
求められています。
人材難とここ数年言われてきていますが益々厳しい状況に
なることは間違いありません。
しかし一方では就職希望者が大勢来る企業もあることも事実です。
しかも、大企業というわけではなく中小企業であってもです。
それらの人気企業では、
会社の理念、姿勢が明確であり、
かつホスピタリティーに溢れている会社が多いのです。
お客様にも社員にも優しい企業。
これが今、就職希望者が多い企業の特徴です。
人手不足、職人不足による受注不調顕著
これは、既に大都市(東京などで)出てきています。
仕事はあっても受けられない(職人さんが確保できない)
ということも既に顕著化しています。
良い職人さんほど引く手あまたで、職人さんへの
待遇がきちんとできる会社が今後業績が伸びていくでしょう。
工務店後継者不足が深刻化
工務店の統廃合の加速
現在でも工務店の後継者不足が叫ばれていますが
更にこの流れは進みそうです。
これが元で工務店の統廃合が一層進みそうです。
シニア向けリフォーム コンパクトハウスの伸長
世帯人数が少ない、というこもあり小型化でコストも安い
住宅が人気が出てきそうです。2人~3人で暮らす住宅です。
平屋も年々市場が伸びていますが、新築住宅の中でも
コンパクトハウス、平屋はニーズにもあっており
堅調に伸びていきそうですね。
大きな点では、やはり人手不足、職人不足と共に
新築市場が大幅に減少し、中古住宅市場が
住宅市場の中心になりそうだということでしょう。
より、欧州型のストック型住宅政策へ進んでいくことに
なりそうですね。
自社の既存客はともかく、その他の中古住宅のリノベや
新規のリフォーム受注をどこから受注していくか?
ここ2年でこの仕組みをしっかりしておきたいところですね。
新築市場だけで考えると厳しい状況になることは
明らかです。
9月も東京新宿で9月21日行います。
理念経営・感動経営の凄さ楽しさやり甲斐もお伝えします。
第二創業、第三創業を行い、
建築業から建築サービス業へ進化をして地域一番を目指しませんか?
http://www.g-rexjapan.co.jp/ishikawahironobu/archives/2860
石川博信
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